就活の内定倍率「10年前比較」で激変した30社 総合職の倍率比較、210倍から7倍になった企業も

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次に、10年前と比べ倍率が下がった企業を見ていこう。

プレス工業は2014年卒では210倍とかなりの難関であったが、2024年卒では7倍と倍率が大きく下がっている。同社は自動車部品メーカーで、トラック用フレーム・車軸生産で国内トップの企業だ。平均年収は763万円で有給休暇も年間平均14日取得できる。

新光電気工業は、アメリカのインテルを主要顧客に持つ半導体パッケージメーカー。海外売上高比率約9割のグローバル企業だ。10年前は内定者数1人の難関企業だったが、2024年卒では内定者数21人、倍率14倍と現実的なラインに落ち着いている。

「電子部品メーカーは文系学部卒の自分とは関係ないや」と思う就活生もいるかもしれないが、学部卒や文系からの採用も毎年多数あるので、敬遠せずにぜひ候補の1つとして調べてみてほしい。

倍率が高すぎない企業とバランスよくエントリー

今回は「倍率」に着目して企業を見てきたが、「やりたい仕事ができるか」や「自分が働きやすい環境か」ももちろん大切だ。これらの軸から志望企業を選び、倍率が高い企業にチャレンジすることは決して悪いことではない。冒頭に述べたとおり売り手市場であるいま、憧れの企業に入れるチャンスをぜひ逃さずつかんでいってもらいたい。

ただ、高倍率の企業にばかりエントリーし気づいたら「持ち駒」ゼロに……という状態は避けたい、というのも就活生のみなさんの本音だろう。本記事や「倍率が25倍以下で平均年収が高い100社」なども参考に、倍率が高すぎない企業とバランスよくエントリーしていくことをおすすめしたい。

丹羽 夏海 東洋経済『就職四季報』編集部

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にわ なつみ / Natsumi Niwa

早稲田大学卒業。2016年東洋経済新報社入社。『会社四季報』株主優待データの担当を経て、現在は『就職四季報』公式サイト「シキホー!Mine」のコンテンツ制作と『就職四季報総合版』の調査・編集を担当。

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