2024年春に卒業予定の大学生の就職活動が本格化している。コロナの感染状況が落ち着き、企業が経済活動を再開させるなか、労働力不足で学生優位の「売り手市場」にあると言われる。また昨今はSNSでは従業員による企業の不祥事告発も相次いでおり、就活生の労働環境に対する要求水準は高まっていると言えそうだ。
そうした状況のなか、学生が興味を持っている会社はどこなのか? 4月3日の配信記事「2.5万人の学生が選んだ『就職人気ランキング』」で、総合の上位300社を紹介しているが、今回はその属性別(男・女・文・理)のランキングを作成した。
調査対象者は、就職サイト「ブンナビ!」に登録する現在就活中(2024年春卒業予定)の大学生や大学院生。登録者のうち、大学名を問わず約2万5000人が回答している。調査期間は2022年10月1日から2023年3月15日まで。
男子学生・女子学生から人気の企業は?
男子学生のランキングは、1位伊藤忠商事、2位日本生命保険、3位三菱商事という結果になった。総合ランキングと同様に総合商社は人気で、5社がトップ10に入った。前年調査と比べて順位を伸ばしたのは、6位住友商事(前年23位)、10位ソニー(前年24位)だった。
女子学生のランキングでも伊藤忠商事が1位に。積極的な働き方改革の推進が奏功して、2021年度の女性社員の期間合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数)は「1.97」に達したことで知られる。こうした取り組みが人気につながっているのかもしれない。女子学生のトップ10には博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ、講談社などが入り、例年上位にくる明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)が今回は8位にランクインした。
文系学生のランキングは、トップ10は総合と同様の傾向だが、集英社、読売新聞社などメディア企業が比較的上位に位置していることがわかる。
理系学生のランキングは1位ソニー、2位富士フイルムグループ、3位伊藤忠商事という順だった。8位のグーグルは前年の124位からジャンプアップ。DXやAIへの社会的な関心が高まる中、IT関連企業の人気は継続している。