ツイッター対抗馬「スレッズ」移行へ"3つの不安" ユーザー置き去りの「気持ち悪さ」が最大の障壁
今年に入ってメディアからは「ツイッター経由の読者流入が目に見えて減少してきた」と不満の声が上がり始めていました。それに輪をかけて混乱を引き起こしたのが7月1日に発生した投稿閲覧制限です。有料の認証ユーザーは1日あたり6000件、一般のユーザーは1日600件しか投稿を見ることができないというものです。
原因については詳細が明らかにされていません。ツイッターは一部の機能をグーグルに依存していたのですが、その契約が6月30日に切れた影響だとも、バグによってサーバーにリクエストの無限ループが発生した障害のせいだとも噂される中、マスク氏は「一時的な緊急措置だ」と閲覧制限について表明しています。
とはいえそもそもSNSというものは広告収入が収益源で、儲かるためにはユーザーがツイッター上にどれだけ長くとどまるかがカギになります。そのユーザーがツイートを見られなくなり、広告主からは「流入が目に見えて減少している」と言われているのでは、確かに末期症状といえるほどひどい状況です。
ツイッターへの批判が高まったタイミングの7月6日、メタが新サービスのスレッズをぶつけてきたわけです。
スレッズはツイッターの"上位互換"
スレッズ自体は当初、ザッカーバーグ氏は7月中旬のサービス開始を匂わせていました。それを明らかに前倒ししたのは、ツイッターの失策で千載一遇のチャンスが到来していたからです。わずか5日で1億人というのも、このタイミングで莫大な数のツイッター難民が発生していたからこそ起こりえた現象です。
ここで興味深いことは、スレッズがツイッターの同質化サービスであることです。戦略の定石では新たにリリースするサービスには差異化が必要です。インスタグラムが登場した際には写真の加工や投稿が、TikTokは短い動画の編集が差異化としてユーザーに支持されて勢力を拡大することができました。
それと違いスレッズはツイッターと似た部分が目立つし多い。これは明らかに「過去の使いやすかったツイッターに戻りたい人は今すぐここに集まって!」というザッカーバーグ氏からのメッセージに映ります。
そのうえで差異というよりは、微妙なサービスアップも忘れてはいません。投稿可能な文字数500字、動画5分、写真10枚というのはすべてツイッターよりも上位互換のスペックです。
特に英語圏ではツイッターの140文字というのは本当の短文しか書けません。英語の140字の文章だと日本語の70文字分くらいの情報量になるのです。ですからアメリカのツイッターユーザーは今回のスレッズのスペックを歓迎しているはずです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら