独裁企業「フェイスブック」、ナンバー2退任の岐路 「フェイスブックの失墜」書いたNYT記者が語る
「ひとつの時代の終わりだ」。6月1日、アメリカのSNS大手メタ(旧フェイスブック)は、シェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)が2022年秋に退任すると発表した。マーク・ザッカーバーグCEOはこの発表に合わせ、冒頭のようにコメントした。
メタはこの5年ほど、荒波にさらされ続けてきた。2016年のアメリカ大統領選挙ではロシア政府による誤情報の拡散を許し、2018年にはイギリスの調査会社ケンブリッジ・アナリティカが、フェイスブックから流出した個人情報を大統領選などの政治広告に使っていた事件が明らかになった。
事業、組織の両面で問題が噴出
この間フェイスブックの動きを追ってきたニューヨーク・タイムズ紙のベテラン記者であるシーラ・フレンケル氏とセシリア・カン氏は、その内情を2021年7月に『An Ugly Truth』(邦題:フェイスブックの失墜、日本では早川書房から2022年3月に発売)という1冊の本にまとめた。
本の発売後も、元社員の内部告発により同社は揺れた。大量の内部資料を基にしたヘイトスピーチや誤情報の拡散といった問題への対策不備などが、アメリカなど世界中のメディアで報じられている。
さらに「フェイスブック」のユーザー数は2021年10~12月期に初めて減少に転じた。収益源である広告ビジネスは、アメリカのアップルがプライバシーを重視して始めた個人情報の追跡規制にもさらされている。まさに弱り目に祟り目といった様相だ。
メタで問題が噴出し続けるのはなぜか。この巨大企業は変われるのか。本の著者であるセシリア・カン氏に話を聞いた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら