ニューヨーク・タイムズ「スポーツ部門廃止」の訳 スポーツ記者らから不満の声も出ている

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ニューヨーク・タイムズ本社
ニューヨーク・タイムズ本社(写真:Sasha Maslov for The New York Times)

ニューヨーク・タイムズ紙は7月10日、スポーツ部門を解散し、オンラインと紙媒体の両方で、ウェブサイト「The Athletic(ザ・アスレチック)」のチームと試合の報道に頼ることになると発表した。

タイムズ紙のエグゼクティブ・エディター、ジョー・カーンと副編集長のモニカ・ドレイクは、「スポーツ報道の進化」として、ニュースルームの変更を発表した。

「我々は、スポーツがどのようにお金、権力、文化、政治、社会全体と交差するかについて、特徴的でインパクトのあるニュースや企業ジャーナリズムにさらに直接焦点を当てる予定だ」と編集者らは10日の朝、タイムズのニュースルームに電子メールで書いた。「同時に、試合、選手、チーム、リーグに関する報道は縮小する」。

著名人を報道してきた「名物コラム」も廃止

35人以上の記者と編集者がいるスポーツデスクの閉鎖は、タイムズにとって大きな変化である。同部門の試合、選手、チームオーナーに関する報道、特に「スポーツ・オブ・ザ・タイムズ」コラムは、かつてはアメリカのスポーツジャーナリズムの柱だった。

モハメド・アリ、フリー・エージェンシーの誕生、ジョージ・スタインブレナー、ウィリアムズ姉妹、タイガー・ウッズ、野球界のステロイド、ナショナル・フットボール・リーグにおける脳震盪の致命的な影響など、このセクションはアメリカン・スポーツの前世紀の主要な瞬間や人物を取り上げていた。

この動きは、タイムズが2022年1月に5億5000万ドルで買収し、200以上のプロスポーツチームを担当する約400人の記者を抱える出版物を加えたアスレチック紙のニュースルームへのさらなる統合を意味する。同紙は毎日約150本の記事を掲載している。

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