宅建資格の格上げは「仏作って魂入れず」だ!

新たな"士業"は不動産業界に何をもたらすか

これまでの「宅地建物取引主任者」が、この4月から「宅地建物取引士」に変わった。具体的な変更点はどのようなものか(写真:naka / PIXTA)

弁護士や会計士など専門資格の職業を意味する、いわゆる“士業”に、この4月、新たな資格が加わった。「宅地建物取引士」である。

ただし、まったく新しい国家資格が誕生したわけではない。不動産流通の円滑化を目的に制定された宅地建物取引業法を改正し、これまでの「宅地建物取引主任者」を改称したのだ。

紛争相談の3割が「重要事項説明」

宅地建物取引主任者の名称が初めて法律に盛り込まれたのは1964年。1971年には、取引主任者による購入物件に関する重要事項説明と契約締結時の書面交付が義務づけられた。

1980年には、その資質の維持・向上を図るべく、法定講習制度を創設。5年に1度の免許更新の際、講習で改正法令や紛争事例などの最新情報を学ぶことが定められた。

こうして現行制度の枠組みができあがったが、残念なことに、今もなお重要事項説明に関するトラブルはなくなっていない。行政に寄せられる紛争相談の3割前後を重要事項説明が占めている。

そこで、またしても宅建業法を改正し、取引業務の適正な実施の確保を目指そうと誕生したのが、宅地建物取引士である。国としては、役割にふさわしい名称にすることで資格の格上げを図る考えだ。

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