そう、本当に重要なのは、本を読んだ感想ではありません。この本を読んで、学生さん自身がどう良い人間に変わったのか――その「読書体験」こそが求められているものなのです。だからこそ、褒められる読書感想文には、学生自身の体験がかならず入っているはず。
しかし、なかなか読書して良い人間に変わる体験なんて、めったにあるものではありません。ならば、読書感想文用に作ってしまえばいいのです。
私はお手軽な手段として、「自分の嫌いだったテーマ、苦手だったモノやコトが、本を読むことで好きになりました」という体験を書くことをおすすめしたいです!
フォーマット通りに書くのは、悪いことではない
そもそも、作文が苦手な子に、「自由に思ったことを書きましょう」「感じたことをそのまま文章にしましょう」と言うのは、なかなかハードルが高いものです。
であれば、いったんフォーマット通りに読書感想文を書いてみるのが一番良い、と私は思っています。作文には真似して良いフォーマットがあるものだ、と知ることで、むしろ気軽に「書くこと」に取り掛かれる子もたくさんいるのではないでしょうか?
既存のフォーマットに従って文章を書くことは、悪いことではないのです。
もちろん選書は難しいかもしれません。でも今はネット社会。たとえば集団行動が苦手な子であれば、「集団行動 嫌い 小説」で調べたり、「人付き合い 苦手 おすすめ 小説」で検索してみたり。あるいは近所の図書館へ行って、司書さんに「こんなテーマの小説や児童文学はありますか?」と相談してみるのもいいかもしれません。書評家のブログやSNSを辿るのも、おすすめですよ。
夏休みであれば、各社の文庫フェアが、学生さんにおすすめの文庫100冊とそれぞれのあらすじをパンフレットにまとめてくれています。それらを読んでみて、気になる、自分が苦手そうなテーマを探すのもおすすめです。
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