広末涼子「不倫される妻」役が真骨頂であるワケ 騒動後の「らんまん」は真逆の病弱な母役で登場
高知出身の広末涼子は、1994年、ピッカピカのスーパーアイドルとしてデビューし、絶大な人気を博した。すらりと伸びた手足と卵型の輪郭、つるっつるの肌、さらさらのショートカットで、健康的な魅力を振りまき、男女問わず人気であった。早稲田大学に入るという知性的な面もあり、パーフェクト。
そんな絶対王者・広末が、俳優として活動するようになると、自由奔放な面を芸能ニュースに書かれたりもしながら、やがて結婚し、3人の子の母親になり、ベストマザー賞を受賞して、子育ても仕事も両立する憧れの的としてのポジションを確立していたところの不倫発覚で、列島に衝撃が走ったのだ(ちょっと大げさ)。
夫のキャンドル・ジュンが異例の赤裸々会見を開いたり、広末が不倫相手に送った手紙の文字を達筆と褒める記事が出たり、キャンドル・ジュンにもハラスメント疑惑が出てきたり、それはもう大騒ぎの中、『らんまん』は広末のシーンをカットしないで放送。すでに先週(第12週)でも回想シーンがカットされずに放送されていた。
なぜ『らんまん』では出演シーンが放送されたのか
第13週の、新規に放送されたシーンがどういう内容かというと、主人公・万太郎が寿恵子(浜辺美波)という女性と結婚するにあたり、実家に挨拶に戻ると、祖母タキ(松坂慶子)が病に臥せっている。この祖母の死の間際に、広末が演じるヒサが登場する。
本来、松坂慶子が祖母の大往生を演じることが見せ場にもかかわらず、広末が出る出ないが話題になるというのはいささか残念ではある。そういう意味では、やっぱり俳優は出演作のイメージを守る責任があるとは思う。
それでもカットできないのは、広末演じるヒサの存在も重要で、すでに先立ったヒサが幻のように登場するのは、脈々と続く、“嫁の道”のイメージでもあるのだろう。
江戸から明治、まだまだ男性社会の中、いかに女性が苦労したか。主人公の家は、代々夫が先立ち、残された妻が必死で頑張って家を守ってきた。しかも実子でない綾(佐久間由依)まで分け隔てなく育て、結果、長男・万太郎は植物学の道に進むため、綾が家を継ぐことになる。継承を描く大事なシーンだからカットできないのも無理はない。
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