スノーピーク34歳社長「不倫辞任」は適正なのか 「経営者として」不適切な行為があったかが本質だ

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スノーピークの社長を辞任した山井梨沙氏(右)と、父親で今回、会長兼社長となった山井太氏(撮影:中原美絵子)

「当社代表取締役社長執行役員である山井梨沙から、当社及びグループ会社の取締役の職務を辞任したいとの申し出がありました」

新潟県三条市に本社を置くアウトドア用品メーカー、スノーピークが9月21日に発表したトップ交代人事が波紋を呼んでいる。

34歳で創業家3代目の山井梨沙氏が「既婚男性との交際及び妊娠を理由として」、社長を辞任。同日開かれた臨時取締役会において、会長であり創業家2代目の山井太氏が梨沙氏に代わって社長を兼務することになった。

スノーピークは山井太氏の父、山井幸雄氏が前身となる金物問屋を1958年に創業。社内起業の形で1988年に山井太氏がテントをはじめとするオートキャンプ用品の製造へ本格的に乗り出した。以来、高級品に強みを持ち、「スノーピーカー」と呼ばれる熱狂的なファンを作ってきた。

32歳で東証1部上場企業の経営者に

山井梨沙氏は2020年3月末に当時32歳でスノーピークの社長に就任。東証1部上場企業の社長としては飛び抜けて若く、それも数少ない女性経営者の1人として注目を集めてきた存在だ。その山井梨沙氏が突如として不倫を理由に辞任を発表したのだから、大騒ぎになっても無理はない。

社長の辞任自体は良くあることであるし、スキャンダルが引き金になることも珍しくはない、近年は不倫疑惑が週刊誌報道などで明るみとなって、著名な企業の経営者が辞任に追い込まれるケースが見られ始めている。

しかしながら、今回のスノーピークのようにメディア報道もされていない時点で、会社自らがスキャンダルを表明するというのは、かなり珍しいケースであると言える。

先手を打って情報発信を行うこと、トップが不祥事の責任を取ることは、リスクマネジメントにおいて有効なやり方である。しかしながら、今回の場合は、知られていないスキャンダルを自ら世の中に広めてしまったという側面もある。

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