スノーピークがアメリカ市場に本腰の理由 社長が米移住、「売上高500億円」目標の本気度

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名だたるアウトドアブランドが直営店を出店する激戦区、原宿にある東京本社(写真:スノーピーク)
日本全国に約1300カ所あるオートキャンプ場利用者は2018年、5年前から100万人増えて850万人(日本オートキャンプ協会「オートキャンプ概況」)となった。今や空前のキャンプブームが到来したと言われている。
国内の活況を新たな投資のチャンスとばかりに、日本を代表するアウトドア用品メーカー「スノーピーク」は来春、アウトドアブランドのメッカであるアメリカのポートランドに旗艦店舗を併設したアメリカ拠点を開設する。
それに先だって今年5月、ポートランドに居住し、山井太社長自らアメリカ市場の開拓に乗り込んだ。
国内のキャンプブームやアメリカ展開をどう位置づけるのか。さらに、事業承継をどう考えるのかを尋ねた。

日本と異なるアメリカのキャンプ文化

――ポートランドはNIKEやKEEN、コロンビアなどスポーツやアウトドアブランドの発祥の地です。自ら住居も移してのアメリカ市場開拓に、社長の本気度がうかがえます。

アメリカの過去1年間のキャンプ場参加人口は1億7500万人ほどになる。日本の20倍超の市場がある。

ただ、日本のキャンプ愛好家(の特徴)は、自然の中で過ごすキャンプ自体が好きな人に加えて、キャンプ道具の愛好家も多い。アメリカ人は道具にこだわりがない人が多く、100ドルくらいのテントをホームセンターで買い、国立公園内に設置されているベンチ付きのテーブルを利用する。(日本人とは)安上がりにキャンプを楽しむという違いがある。

アメリカの1人当たり客単価は高くはない。日本では、スノーピークのポイントカード会員約40万人のうち、購入金額が年間20万円以上の会員が6%ほどいる。彼らコアユーザーの購入額は売上高の4~5割を占めており、アメリカで同様のことができれば、開拓の余地は大きい。

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