杉本八段が明かした「藤井聡太の鉄道旅とおやつ」 杉本一門の棋士たちの"知られざる日常"を公開

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第71期の王将戦七番勝負が早く終わったこともあり、3月11日に第六局開催予定地の島根県大田市「国民宿舎さんべ荘」で「藤井聡太新王将を囲む会」が行われた。今回は、私も日本将棋連盟の理事として同行である。

三瓶山の麓にあるその旅館。ホテル関係者や地元の方々の歓迎を受ける。
囲む会は大人を対象に和やかな雰囲気。翌日には「子供将棋の集い」もあり、質問コーナーなど大いに盛り上がった。

仕事後のくつろぎ、さんべ荘の温泉は素晴らしかった。男女合わせて16種類の露天温泉は釜風呂、陶器風呂、檜風呂など見るだけでも楽しく、お子さんにも喜ばれそう。料理も地元産牛肉や名物の穴子、蕎麦など大満足で、家族旅行にもお勧めである。

さて、現地からの帰りは出雲市駅までバスで移動し、岡山行きの特急「やくも」を利用した。車両は381系。私は全く詳しくないのだが、名古屋―長野間を走る「しなの」にも昔は381系があったらしい。

「杉本先生は乗っているはずです」

鉄道ファンの藤井王将。熱っぽく説明してくれる目が少年のようだった。
やくもは振り子式列車だけあってカーブではそれなりに揺れる。だが、それを体感するのも一興である。

藤井王将に近づいて話しかける私。

「揺れるね、そういえばこの前の将棋だけど……」

私は揺れ、携帯電話の画面も揺れる。それを見て冷静に答える藤井王将。私もだが、きっと彼も乗り物酔いはしないに違いない。

車窓の棋士。その顔には個性が出るのだ。

(「第47回 棋士の鉄道旅」2022年3月31日号)

棋士の「おやつ」はどのように選ばれるのか

仕事の合間の糖分補給は、疲れた頭を休めるのに最適。私たち棋士の「おやつ」も、今では勝負飯と並んで対局の見どころの一つになっている。

10月28、29日に富士宮市で行われる第35期竜王戦七番勝負第三局。これに合わせた市民参加型企画「おやつ選びコンテスト」が実に秀逸である。

藤井聡太竜王と挑戦者・広瀬章人八段に出す“おやつ”候補が和菓子と洋菓子で38点。市民の投票で和菓子3点、洋菓子4点程度に絞り込むのだ。

応募は投票箱への投函以外にインターネット投票も可能。出品する38の店舗、投票する市民、そして選ぶ対局者と実に遠大な「おやつタイム」である。

8月末に投票期間は終了し、おやつ候補リストの最終決定は9月15日とのこと。主役の竜王戦と相まって盛り上がることだろう。

なお、この企画は静岡県外からの投票も可能。実は私、ネット投票をしましたよ。結果が楽しみである。

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