杉本八段が明かした「藤井聡太の鉄道旅とおやつ」 杉本一門の棋士たちの"知られざる日常"を公開
東京や大阪での公式戦や地方遠征……棋士は家にいることも多い反面、遠征で何日も家を空けることもある職業だ。
名古屋在住の私は、東京対局の前日、新幹線で移動する。外の景色など眺めながら翌日の作戦を再確認するのがルーティンだ。
(富士山か……東京まであと1時間、もうひと頑張りするか)
ちょっとした気分転換にもなる。なお、藤井聡太王将(今回は王将と表記)は車内では必ず車窓からの景色を眺めるため、座席の左右にもこだわるとのことだ。
鉄オタの藤井聡太と過ごした「鉄道旅」
車窓と棋士。脳内ですでに戦いは始まっている。
私の場合、仕事の際の遠征は、車窓より、携帯やノートパソコンの画面をよく眺めている。ネットで東西の棋士と研究会もできるのが便利。デッキに人がいなければ電話で感想戦も可能である。
「銀を打たれたら……あれ? 聞こえますか?」
名古屋―東京間はトンネルが多く、通話もよく切れる。棋士たるもの、車窓から電話のタイミングも読みたいところだが、それはさすがに難しい。
車内で詰将棋を解くのは研究の王道だが、2人以上で乗るとき、特に向かい合わせに座ると(今はコロナ対策でできないが)、反射的に対局したくなる。
その昔、持ち運び用のマグネット将棋盤は旅のお供だった。よく駒を落として大騒ぎした記憶がある。あれは椅子の裏とか、思わぬところにくっつくのですね。懐かしい思い出だ。
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