「目立たないのにできる人」の立ち位置を得る方法 人が助けを求めるタイミングを見逃さない

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行動③ 職場の「悩み」に対して現実的な提案をする

会社が人を雇うのには、給与をはじめとするお金がかかります。皆さんが家計の節約を意識しているように、会社はできるだけコストをかけずに業績を伸ばし、生産性を高めようとしています。

家計なら自然にできていることでも、会社に対しては意外にこの「現実的な感覚」を理解できていない人がいます。とにかく上司に無茶な意見を言い、労力やコストがかかる現実離れした提案ばかりをして信用を損ねてしまう人もいます。

再び私の工場時代を例にしましょう。私は工場の倉庫で作業をしていました。倉庫は夏は40度の灼熱地獄。冬は0度まで気温の下がる過酷な場所です。当然、社員からは「空調を完備してほしい」という意見が出ていました。

しかし、空調設備の導入にはお金がかかります。設置場所も必要で、すぐには対応できません。そこで、現実的な提案の出番です。私が発起人となり倉庫作業する人への防寒具の購入を会社に依頼したところ、数週間で準備してくれました。

会社も受け入れやすく、周りの人も助かる――現実的な提案ができる、というのはそれだけでアピールポイントになるのです。

淡々と仕事をこなせることの価値

仕事には華やかなもの、地味なもの、面白いもの、面白くないものなど、さまざまなものがあります。ただ1つ言えるのは、どれも必要なものであるということです。

確かに華やかな仕事のほうが注目はされるでしょう。でも、与えられたことを丁寧に淡々とこなせるのは、すばらしい性格です。細かい仕事を淡々とこなしているあなたが休むと会社はどうなるでしょうか。

もし周りの人が困ってしまう状況が思い浮かぶなら、あなたが必要とされているということですよね。そんなあなたはすでに「できる人」になっています。

Ryota HSP(繊細な人)アドバイザー

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1984年生まれ。メンタル心理カウンセラーと行動心理士の資格、製造業から講師業まで15年以上パラレルワークをして身につけた対人スキル、大学で音楽による癒しや心理学を学んだ経験を生かし、HSPからの相談対応やHSPの支援を軸に活動。これまでに対応した相談者数は3000名以上。YouTube「ココヨワチャンネル」やインスタグラム、ネットラジオなどのSNSでも発信を行い、合計フォロワー数は20万人を超える。著書に『もう振り回されるのはやめることにした』(SBクリエイティブ)、『まわりに気を使いすぎなあなたが自分のために生きられる本』(KADOKAWA)、『気疲れがスーッと消える 繊細な人の話し方』(明日香出版社)がある。

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