石田:具体的にはどんな配慮が必要でしょうか。
A:例えば、復帰後は数年、通級の補助担当にするなど、担任を持たないポジションに置いてほしいと思います。教育委員会も人事に関わるのであれば、小さい子がいる家庭の事情を少しは考慮してほしいです。
あと、地域の行事ですね。うちの自治体は地域のスポーツ大会に子どもたちを参加させるので、年に2回ほど休日が潰れるし、朝練も大変。地域の要請が強く学校もやめられないとのことですが、教員や子どもたちを巻き込まないでほしいと思います。
石田:国に求めたいことはありますか。
A:残業代ではなく、校務分掌で主任になる人に手当を出してほしい。主任になること自体が地獄ですが、手当がないと周囲の人間も「任せてしまってごめんなさい」という申し訳なさをずっと感じなくちゃいけないので。また、教員は「何でも屋さん」になりつつあるので、将来的には国が学校の業務の線引きを明確に示してほしいです。
なぜ、外注できる仕事も教員がやらなければいけない?
石田:Bさんは、この春から復帰されました。辞令は新年度が始まる直前に出ると聞きますが、今回はいつごろ連絡がありましたか。
公立中学校教諭。小学5年生と6年生の子どもがおり、今年4月から学級担任に復帰。
B:だいたい噂で3月頭ぐらいには異動先がわかるのですが、3月20日過ぎないと正式にはわかりません。私の場合、今回は担任を持つことは3月25日に初めて聞かされました。
石田:お子さんのこともありますし、せめて1カ月前には教えてほしいですよね。復帰後に、何か思うところはありましたか。
B:春休みは新年度に向けて本当に激務でした。入学式は1週間ほど予定を後ろにずらしてほしいです。なぜこんなにも短期間でいろいろな準備をしなければいけないのでしょうか。膨大な書類を1枚1枚、手作業で封筒に入れているとき、「これって教員の仕事なの?」と思いました。教科書も、書店と生徒が直接やり取りして準備すればいい。もっと子どものためにやりたいことはいっぱいあるのに、外注できる仕事もすべて教員がやらねばならずバカらしいです。
あとは教員数を増やしてほしい。私の場合、空き時間が2時間の日と1時間の日で心の余裕がかなり違うので、人が増えて空き時間が毎日3時間になったら辞める人は少なくなるだろうと思っています。
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