「もし真剣交際に入るなら、このタイミングで『敬語や丁寧語はやめて、友達口調で話しませんか?』とふみさんから言ってみたら? あと、お互いの名前の呼び方を2人で決めるといいと思いますよ」
その後、のぶゆきからの真剣交際を受けたふみは、彼にこんなことを提言したようだ。
「もう真剣交際に入ったのだから、普通の恋人同士のように手をつないだりしたいです。名前も下の名前で呼び合うか、ニックネームを決めましょう。あと、敬語や丁寧語で話すのもやめませんか?」
そこからは、“ふみちゃん”“のぶくん”と呼び合うようになり、話し言葉も友達口調になって、2人の距離が一気に縮まったという。
また、こんな話もある。
先日、よしあき(47歳、仮名)と2回デートを重ねたまちこ(42歳、仮名)から、交際終了の申し出があった。そのときに、まちこがこんなことを言っていた。
「いい人なのはわかっていたんですが、お見合いのときから言葉遣いが気になっていました」
話し方がフランクすぎるというのだ。
「勤めている会社も、年収もいいし、結婚するにはいい条件だったから、もう少しお付き合いしてみようと思っていたけれど、お見合いのときから馴れ馴れしい物言いがどうも気になっていました。そのうち慣れるかとも思ったんですが、お会いする回数が重なっていくほどに、余計に居心地の悪さを感じるようになったんです」
言葉遣いで無理やり2人の距離を縮めようとしても、心の距離が縮まっていないと、そこが違和感になっていく。婚活の場合は、心の距離を縮めながら、言葉の距離も縮めていくように心がけたほうがいい。
丁寧語からフランクな友達口調へ
では、お見合いや交際に入ったときに、どんな会話をしていくことが正解なのか。
これが学生時代で、友達を介して新しい友達に会ったり、サークルの飲み会や合コンに参加したりしたときだったら、敬語や丁寧語は使わず、友達口調で話すのが一般的だろう。
「学部はどこ?」「出身地は、どこなの?」「休みの日は、何をしているの?」など。ここで丁寧語だと、かえって壁を作っているような印象を与えてしまい、その場の空気に馴染めなくなる。
ところが、社会に出てからは仕事場でも取引先でも私生活でも、初対面の人に対しては、敬語や丁寧語で話すのが一般的。それが、相手に失礼のない会話の仕方だ。
お見合いもしかり。“初めての出会い”なのだから、敬語や丁寧語を使って会話を進めていくことが、相手に対して敬意を払う表れになる。
ただ前述のふみのように、交際に入ってからずっと、敬語や丁寧語で話をされたら、2人の距離はなかなか縮まっていかない。
そこで、私は会員たちにこうアドバイスしている。
お見合いのときには、敬語や丁寧語を使う。
交際に入ったら、1回目のデートでは友達口調2、丁寧語8。2回目のデートでは友達口調3、丁寧語7。3回目のデートでは友達口調と丁寧語を半々にしていく。
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