5児の母は、こうしてキャリアを開拓した!

子だくさんワーキングマザーの仕事論<1>

菊地加奈子(きくち・かなこ)
1978年生まれ。早稲田大学商学部卒業。2012年9月に保育施設を運営する株式会社フェアリーランドを設立。特定社会保険労務士。

ゼロからコツコツ営業を続けて、2年間で取引先は20社。会社員時代の2倍の年収を稼ぐまでになっていた。そもそも、仕事と子育てのバランスをとるため、フレキシブルな働き方を求めて起業を選んだはずだった。しかしふたを開けると、24時間顧客の電話を受け、子どもの風邪をよそに仕事を優先している自分がいる。35歳で上級資格の特定社労士を取得し、さらに仕事の幅を広げようと弾みをつけたところに、今度は第4子を妊娠する。

「がむしゃらに家庭と仕事の両輪を回してきました。でも、今回は起業後初めての妊娠。事業主ゆえに産休も育休も取れず、従業員もいない。これ以上は無理だと思いました」。そこで思いついたのが、保育園経営だった。

「専業主婦から社会復帰を果たし、働きながら子どもを産み育ててここまで来ました。母親にはそれぞれのステージごとに、さまざまな思いや悩みがあるはずなのに、今、そこに光が当てられていない。再就労したいと願う女性たちも助け合えるような、しくみや場所をつくりたかったのです」

大イベントと重なる出産に見出した意味は?

大きなお腹を抱えて夫と物件探しにくり出し、役所に保育園の運営方法を教わり、設計確認や備品の購入、人材確保に融資の取り付けと、第4子を産む日の朝まで作業を続けた。仕事のメールを送ってちょっと横になったら「痛い。陣痛だ」。3人目まではスイスイ生めていたのが、今回は15時間ほど長引いた。初めての男の子だった。

かつては第3子出産時期と社労士試験が重なり、今回も第4子の出産を控えた時期に保育園設立の時期が重なった。それぞれ“今でなければ”という理由はあるものの、かなりの力を要する大仕事の重なりをずらさなかったのは、なぜなのか。

「思えば子どもが授かるたび、大きな変化に直面してきました。その都度、こんな大変な時期にこの子が授かって生まれてくる意味って何だろうと、自問自答もしてみました。『でもママ、だからやろうよ』って、お腹の中の子どもに言われているような、そんな気持ちになるんです」

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