6月10日は「こどもの目の日」だという。日本眼科啓発会議(日本眼科医会、日本眼科学会などで構成)によって、今年制定された。子どもの目の発達について、国民に関心を持ってもらうことが目的の1つだが、特に問題視されているのが、子どもの近視の急増や若年化だ。
原因や近視予防について、日本近視学会理事長で東京医科歯科大学眼科学教室教授の大野京子医師に聞いた。
原因や近視予防について、日本近視学会理事長で東京医科歯科大学眼科学教室教授の大野京子医師に聞いた。
近くのものははっきり見えるのに、遠くのものがぼやけて見える近視。
学校で実施されている視力検査では、視力1.0未満なら眼科の受診を勧められているが、文部科学省『令和3年度学校保健統計調査』によると、裸眼視力1.0未満の子どもは小学生が約37%、中学生は約61%で過去最多だ。低年齢で進行する子どもも増え、裸眼視力0.3未満の小学生は約30年前に比べて3倍以上になっている。
増えているのは「スマホの影響」
子どもの近視が増加している原因について、大野医師は「スマホの影響が大きい」という。その理由についてこう話す。
「目から近い距離での作業『近業(きんぎょう)』が増えると、近視になる確率は高まります。スマホは目からの距離が近くなりやすく、さらに長時間にわたって使われやすい傾向があります。パソコンやタブレットと比べて、スマホが最も近視の進行に影響するという報告もあり、画面が小さい電子機器ほど、視力に悪影響をおよぼすことがわかっています」
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