ムシムシ、ジメジメ……。鬱陶しい梅雨の季節が始まった。この時期に増えるのが食中毒。なかでもとくに注意したいのが、生肉で起こるカンピロバクター感染症だ。
そこで今回は、日本カンピロバクターの特徴や原因食品、食中毒対策について、カンピロバクター研究会の役員で、徳島大学医学部・医科栄養学科・予防環境栄養学分野教授の高橋章さんに聞いた。
そこで今回は、日本カンピロバクターの特徴や原因食品、食中毒対策について、カンピロバクター研究会の役員で、徳島大学医学部・医科栄養学科・予防環境栄養学分野教授の高橋章さんに聞いた。
食中毒とは飲食物が原因で生じる健康被害のこと。細菌やウイルス、寄生虫などによるものから、自然毒(きのこ、ふぐなど)、化学物質によるものなど、さまざまなものがある(関連記事:【魚で体調異変】知られざるヒスタミン中毒の害)。
とくにこれからの時期に注意したいのが、細菌性の食中毒だ。
鶏や牛などの腸内に棲息する細菌
湿度や気温も高くなり、増殖する条件の揃っているこの時期に件数が増える傾向にある。細菌性の食中毒には、病原性大腸菌やサルモネラ菌、腸炎ビブリオなどがあるが、カンピロバクターもその1つだ。カンピロバクターによる食中毒をカンピロバクター感染症と呼ぶ。
カンピロバクター感染症は、鶏をはじめ、牛、豚などの腸内に棲息するカンピロバクター(微好気性細菌)に感染することで起こる。カンピロバクターと一口に言っても種類はいくつかあり、ジェジュニ、あるいはコリという種類がほとんどを占める。大腸菌O-157のベロ毒素のように血液中に入って全身をめぐるということはなく、多くの場合、ヒトの腸管に感染して腸炎を起こす。
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