10人家族の夕飯作りをこなす「谷原章介直伝」ワザ 食卓を切り盛りして見えた「夫婦・親子」の関係

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大人である以上、身の回りのことがひと通りできるのは当たり前。その上で、パートナーがいる場合はそれぞれの得意に応じて家事を分担していけばいいというのが、谷原家流。

料理や洗濯などの家事、そして子どもの教育など家庭にまつわる仕事を「大人がこなさければならないタスク」としてジェンダーから切り離してみる。その上でお互い得意なものを分担していくプロセスがあれば、片方が負担を抱え込んでしまうこともなくなり、またパートナーの新たな得意分野に気が付くこともあるかもしれない。

ただし、谷原さんは、それまで家事をしなかったパートナーが家事をやろうと踏み出したときには、自立の一歩目なので、温かく見守ってほしいと言う。「『やり方が気に入らない』なんて時があっても、大目に見てあげてほしいと思います」とアドバイスを送る。

子どもと共に成長する日々

『谷原家のいつもの晩ごはん』は、読んでいて気持ちがほっこりとする、大家族ならではの食卓の温かさが詰まった1冊となっている。6人の子を持つ父親として家族との時間を大切にしている谷原さんだが、子どもたちとのふれあいによってさまざまな世界を知り、その経験が自分を成長させてくれるのだそうだ。

(撮影:今井康一)

「子育てをするために、仕事でやりたいことを後回しにしている部分がないと言ったら、嘘になります。でも子どもたちのおかげで、随分といろいろな経験をさせてもらっているとも思うんです。

谷原家のいつもの晩ごはん
『谷原家のいつもの晩ごはん』(マガジンハウス)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

独り身から、奥さんと一緒になって、子どもたちを得て……自己完結の世界から大きく広がりました。それは想像を超えた素晴らしい経験でもあり、時には親子喧嘩のような嫌な経験もあります。

でも嫌なことだって経験できなかったら、それは自分にとっては何にもならないですよね。そんな感情も含め、子育てで得たさまざまな思いが、今後役者を続けていくために絶対にプラスになると思っています」

そんな谷原さんだが、最近ふと寂しくなることがあるという。

「子どもたちがどんどん大きくなり、手がかからなくなってきたんですよね。そして、毎週末一緒に外出するといったこともなくなってきて。子どもの成長に連れて、僕の生活もだいぶ変わってきました。それは少し寂しいですが、そろそろ子離れをする覚悟もしないといけないということですね」

子どもの成長は目覚ましく、いつまでも親の役割は続かない。そんなかけがえのない日々を大事にし、一方で子育ての先の自身のキャリアや人生に対しても、意欲を持ち続ける。そんな谷原さんからは、家庭人として、そしてキャリアある大人としての充実感が滲み出ていた。

蜂谷 智子 ライター・編集者 編集プロダクションASUAMU主宰

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はちや ともこ / Tomoko Hachiya

東京都出身。上智大学大学院文学研究科博士前期課程修了。語学教材の専門出版社を経て2014年よりフリーランスのライター・編集者として活動。住宅・教育分野の執筆多数。

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