夫48歳、妻45歳「同業カップル」新婚生活のリアル マッチングした後に気づいた「共通点」

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婚活に本腰が入らなかったのは仕事の忙しさだけが理由ではない。今では仲がいい両親は、奈津美さんが幼い頃はケンカが絶えなかった。そのため結婚生活にいい印象を持てず、リアルな男性との恋愛よりも「男性に頼らずに自力で生きていく」ための勉強と2次元の世界に熱中して過ごしてきたのだ。

「29歳のときに司法書士試験に合格して、上京して司法書士事務所に勤めました。私はいわゆるオタクで、漫画とアニメを繰り返し鑑賞したのは『テニスの王子様』。テニスをしないのに本格派のラケットを買ってコスプレにも親しんでいます(笑)。私は男装専門です」

2歳下の妹の結婚に刺激を受け…

そんな奈津美さんの感情に3次元的な変化が生まれたきっかけがある。5年前、2歳年下の妹が結婚し、その夫が優しく温和な人で「すごく素敵!」と感じたことだ。

「職場結婚の妹夫婦は今でも同じ職場で働いていてケンカ一つしません。こんな幸せな結婚ならいいな、遅いかもしれないけれど私も心の拠り所になるパートナーが欲しいな、と思い始めました」

しかし、リアルな恋愛に不慣れな奈津美さんは何をしていいのかわからない。資格も生かして公務員に転じていたこともあって仕事や自己学習などやるべきことはいくらでもある。それを言い訳にして具体的な行動には移らなかった。

「友人から『あなたは婚活やるやる詐欺だよね』と指摘されてしまったぐらいです……。市の広報紙で見つけた商工会議所の婚活イベントに参加したのが令和2年12月でした」

プライベートの思い出まで和暦で振り返るのが元公務員の司法書士らしい。しかし、仕事では納期通りにきちんと書類を提出する奈津美さんは私事になると浮世離れしてしまう。先述したようにプロフィールすら出さずにオンライン婚活イベントに参加した。

「参加したのは男女それぞれ50名だったと思います。人数が多いので、全員の前での自己アピールは1人20秒。あとは趣味のカテゴリー別にZoomの小部屋に分かれて交流しました。妻はプロフィールの趣味欄を記入しなかったので『その他』に分類されたようです。3回ほど部屋替えがありましたが、私とは一度も同じ部屋になっていません」

しゃべり好きらしい健一さんが順番を待ちきれない様子でイベントについて説明してくれる。このイベントの年齢制限は25~45歳まで。当時45歳だった健一さんは「ギリギリ」だった。

「私はバツイチの最高齢なので誰かに拾ってもらえたらいい、という気持ちでした。暴力などを振るわなくて家族仲がいい人ならば問題ありません。ただし、どうせ結婚するならば今度は子どもが欲しいと思っていました。最初の結婚で不妊治療をした際に私も原因で子どもができにくいことがわかっていたので、相手は35歳未満までに絞っていたんです。妻と出会ったイベントでも、1人ひとりに点数を付けながら真剣に参加しました。35歳以上の方は対象外なので大きくバツ印です」

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