全26業界・135社の注目企業の業績と予想を一覧。『会社四季報』の記者がどこよりも早いレビューをお届けする。
いわゆる「業績相場」の様相を呈する日本の株式市場。実際にどんな企業が業績を伸ばし、どの部分が成長のポイントになっているか、把握しているだろうか。そして何より、実際の決算書の中身を見て自分なりに分析・判断し、投資などに生かせているだろうか。
そうした「業績を見る力」は、株式投資だけでなく、ビジネス上の取引先や出資先の実力を見極めるうえでも欠かせない。もし、「何となくわかっているが、腹落ちしていない」感覚なら、今が学び直しのチャンスだ。5月29日発売の週刊東洋経済では「四季報記者が教える決算書の読み解き方」を特集。決算書攻略の基礎から応用まで、わかりやすく解説していく。
各社の決算を細かく分析すると、明暗が見えてくる。本記事では3月期決算企業が発表したばかりの本決算を含め、注目企業の業績と予想を一覧にした。5月29日配信の前編に続き、後編の本記事では流通企業、エンタメ企業などを見ていこう。『会社四季報』の記者がどこよりも早いレビューをお届けする。
アパレル|需要の回復が鮮明だが懸念も
外出機会が戻り、アパレル需要も回復基調にある。ファーストリテイリングの場合、コロナ禍の影響が緩和されてきた2022年8月期からは、売上高が堅調に推移し、粗利益率の改善が増益に寄与。だが、足元は円安と原材料高が目の前に立ちはだかる。
利益を確保するには適正な価格転嫁が必要だが、他の生活必需品の物価上昇も著しく簡単ではない。23年8月期も収益を改善するためには価格競争ではなく、服の価値を高められるかがカギとなる。(山﨑理子)