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キャッシュ・フロー計算書で倒産リスクを察知 PLだけでは見えない現金の流れを確認しよう

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決算書の要である財務三表。そのなかでも、キャッシュ・フロー計算書(CS)の読み解き方を押さえ、企業の現金の流れを把握できれば「倒産リスク」も察知できる。

キャッシュフロー計算書とパソコンのキーボード
キャッシュ・フロー計算書(CS)は営業・投資・財務の3視点から構成される(写真:CORA / PIXTA)

特集「四季報記者が教える決算書の読み方」の他の記事を読む

5月29日発売の『週刊東洋経済』では「四季報記者が教える決算書の読み解き方」を特集。財務3表の構造を基礎から解説するほか、多種多様な企業の決算書を読み込んでいる四季報記者の分析のツボも紹介している。決算書から「会社の実力」を見極めるスキルは、投資にもビジネスにも欠かせない。今が学び直しのチャンスだ。(この記事は本特集内にも掲載しています)

ここでは大手食品メーカー、明治ホールディングス(HD)の決算書を基にキャッシュ・フロー計算書(Cash Flow Statement=CS)の読み方を解説していきたい(損益計算書(PL)貸借対照表(BS)の読み方はこちら)。CSは、文字どおり現金の流れを表す。

PLと実際の現金の動きにはラグがある。例えば10万円の製品を販売し、代金は後払いで受け取るとする。販売時点でPL上は売上高10万円が計上されるが、現金は1円も入らず、BS上の売掛金が10万円増えるだけだ。これが積み重なると現金が不足し、黒字でも費用の支払いが滞り、最悪の場合、倒産する危険性がある。それを察知する意味でもCSの確認は重要だ。

CSは、営業キャッシュ・フロー(CF)、投資CF、財務CFで構成され、最後に「現金及び現金同等物の期末残高」(期末の現預金などの残高)が記載される。

営業CFがマイナスの場合、本業の経営に問題がある

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