決算書を読み解くための要となる財務3表。まずは具体的なビジネスの動きと合わせ、構造と概要を把握しよう。

5月29日発売の『週刊東洋経済』では「四季報記者が教える決算書の読み解き方」を特集。財務3表の構造を基礎から解説するほか、多種多様な企業の決算書を読み込んでいる四季報記者の分析のツボも紹介している。決算書から「会社の実力」を見極めるスキルは、投資にもビジネスにも欠かせない。今が学び直しのチャンスだ。(この記事は本特集内にも掲載しています)
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『週刊東洋経済 2023年6/3特大号』の特集は「四季報記者が教える 決算書の読み解き方」。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
「決算書は、まず財務3表を知ることだ」。上司や先輩からそうアドバイスされたことはないだろうか。財務3表とは、稼ぎや費用、利益の状況を知る損益計算書(PL)、財務状況がわかる貸借対照表(BS)、現金の出入りがわかるキャッシュ・フロー計算書(CS)で構成される。
だが、専門的な用語が多く、苦手意識を抱く人が多いだろう。そこで、「パン屋の経営」をモデルに簡単なストーリーを作成した。その経済活動や現金の動きが財務3表にどう表されるかを見ていこう。
なお、実際の財務3表は決算期ごとに作成され、次のように経営活動ごとには作成されない。
財務3表の流れをつかむ
①4月。トウケイ商事社員のA氏は、パン作りが趣味であることから、新規事業としてパン屋の経営を任された。会社から現金700万円の出資を受け、「トウケイベーカリー」を設立する。
この700万円は財務3表にどう記載されるのか。それは下図のとおりだ。各項の右上がPL、左上がBS、その下がCSだ。

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