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日産自動車の増益を支える「影の主役」事業とは 自動車業界の決算分析では販売台数を要確認

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日産自動車は2022年度に増益を達成した。一方、グローバル販売台数は前期比で減少している。なぜ販売台数は減少しても、増益を達成できるのか。その理由を決算書から解き明かす。

近年、日産の販売台数は大きく減少している(撮影:尾形文繁)

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自動車メーカーは新車を生産・販売することで収益を上げている。一般に台数が増えれば売上高は伸び、利益も出る。

とはいえ、現実はそう単純ではない。日産自動車を例に見てみよう。

日産の2022年度の売上高は前期比25.8%増の10兆5966億円、営業利益は同52.5%増の3771億円。

対して、グローバル販売台数は330万台と前期比14.7%減だった。そもそもグローバルの小売販売台数は18年度以降右肩下がり。にもかかわらず、売上高は20年度を底に2期連続で増加している。

その理由を探る前に、まず連結対象の問題について押さえたい。グローバルの小売販売台数は自動車メーカーの実力を示す重要な指標の1つだが、ここには中国での販売が含まれる。

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