池袋西武への出店にこだわるヨドバシの深慮遠謀 ビックと全面対決で塗り変わる家電量販地図
北海道の陸の玄関口、JR札幌駅。観光名所の札幌市時計台や大通公園に向かう南口を出ると、駅前の一等地に駐車場が広がっている。
ここは、今から10年以上前に閉店した「西武百貨店札幌店(札幌西武)」があった場所。その昔は札幌最古の百貨店「五番館」の名で親しまれ、赤れんが造りの洋館は駅前のランドマーク的存在だった。
だが、そんな駅前の景観も、そう遠くない未来に変わることになる。2011年にこの土地を取得した家電量販大手ヨドバシホールディングスの主導で、28年度には地上200メートルの高層ビルが建設されるからだ。
時間を要してでも周辺の土地を1つに
1万7000平方メートルのこの土地には、地下6階・地上35階建てのビルが建てられ、ヨドバシカメラの店舗をはじめオフィスやホテルが入居する予定だ。
「かつての札幌西武は互い違いに建てられた2つの館からなり、建物の使い勝手はあまりよくなかった。そのためヨドバシは時間を要してでも周辺の土地を1つにまとめ、巨大なビルを建設できる再開発を選んだのではないか」と関係者は指摘する。
ヨドバシが駅前の百貨店跡地への出店を狙っているのは札幌だけではない。というのも、セブン&アイ・ホールディングスが売却を進めているそごう・西武の最大店舗、西武池袋本店(池袋西武)への出店をもくろんでいるからだ。
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