西武HD社長「早急に協議の場を」と訴える理由 そごう・西武株売却に対して打ち明けた胸の内

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西武HDの後藤社長
後藤高志(ごとう・たかし)西武ホールディングス社長/1949年生まれ。1972年東京大学経済学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。みずほフィナンシャルグループ常務執行役員、みずほコーポレート銀行副頭取などを経て、2005年西武鉄道社長に就任。2006年から現職(撮影:梅谷秀司)
11月11日、セブン&アイ・ホールディングスは臨時取締役会を開催し、傘下の百貨店であるそごう・西武をアメリカの投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに2000億円超で売却することを決議した。
これにより混迷を極めた売却劇は決着したかにも見えたが、ヨドバシカメラの出店が取り沙汰されていることに対し、地元の豊島区長が「家電量販店は低層階に入ってほしくない」と反発するなど混乱はおさまらない。そこで、西武池袋本店の不動産の一部を所有する西武ホールディングスの後藤高志社長に、池袋の今後について聞いた。


──ヨドバシカメラの出店が取り沙汰されていることに反発が出ています。

まず今回のそごう・西武株式をめぐる売買について、西武ホールディングスは当事者ではないため、そのご判断に対してとやかくいえる立場ではないことは申し上げておく。

ただ池袋は、西武鉄道をはじめとする西武グループにとっては極めて重要な街だ。われわれは西武百貨店の池袋本店が建っている土地の地権者であり、かつ西武鉄道の池袋駅と西武百貨店は一体の建物でもある。そういう意味では、駅との一体性というものを踏まえたうえで、街作りの観点から今回の件はきっちりと対応していきたいと考えている。

豊島区長が掲げる構想には賛同

──豊島区の高野之夫区長はヨドバシカメラの出店について、「家電量販店は低層階に入ってほしくない」と反発しています。

高野区長は、国際的なアートカルチャー都市を掲げ、池袋地区の再開発に取り組んできた。多目的ホールなどを備えた複合施設「ハレザ池袋」を整備し、芸術文化の発信機能を強化している。また、池袋駅の東口と西口をつなぐ通路をつくり、駅前を歩行者専用の広場とする構想も掲げている。こうした取り組みにより池袋は大きく変わった。

われわれもこうした街作りに関しては全面的に賛同しており、今回のディールに関してもアートカルチャー都市構想に調和の取れた形で進めていただきたいと考えている。

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