そごう・西武、魑魅魍魎がうごめく「異様な売却劇」 不可解な入札情報開示にファンドから怒り噴出

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そごう・西武の売却をめぐり、アメリカの投資ファンドであるフォートレスが優先交渉権を得た。だが、そこに至るまでの過程で、入札の正当性を歪めるような異常な事態が起きていた。

売却に向けた交渉が本格化する、そごう・西武。だがその入札の過程では、不可解なことがたびたび発生していた(撮影:梅谷秀司)

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「あまりにひどいガバナンスだ。さまざまな情報があちらこちらでリークされるなどぐちゃぐちゃで、こんなひどいディールは聞いたことがない」

セブン&アイ・ホールディングス傘下で、百貨店を展開するそごう・西武の売却をめぐり、入札を検討していた投資ファンドの幹部はそう嘆く。結局、このファンドは「公正な入札が期待できない」として、入札への参加を途中で断念したという。

参加を断念したのは、このファンドだけではない。1次入札を通過したアメリカの投資ファンド、ブラックストーン・グループも、入札に不信感を抱いていたもようだ。事実、2次入札への参加を見送っている。

2022年1月末、セブン&アイが国内外の投資家に入札への参加を呼び掛けたことで幕を開けた、そごう・西武の売却劇。7月初旬にはアメリカの投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループが優先交渉権を得た。しかしそれまでの5カ月間、水面下では魑魅魍魎が跋扈し、提案内容で判断するという入札の正当性が歪められるような事態が起きていた。

入札締め切り直前に不利な情報を開示

入札の経緯を簡単に振り返っておこう。

2月21日に締め切られた1次入札では、いずれもアメリカの投資ファンドであるブラックストーン、ローンスター、フォートレスと、シンガポール政府投資公社(GIC)の4社が残った。ブラックストーンを除く3社が2次入札に進み、5月23日に応募が締め切られるはずだった。

はずだった、というのは、投資ファンドからの要請によって入札の締め切りが延期されたからだ。その理由について複数の投資ファンド幹部は、「決してわれわれが悪いわけではない。すべてセブン&アイの責任だ」と憤る。

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