1990年代に旧・西武百貨店の社長を務めた水野誠一氏。セブン&アイが進めるそごう・西武の売却について「社長を務めた者の責任として、おかしな最後にはしたくない」と、危機感をあらわにする。
セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武売却をめぐっては、アメリカの投資ファンドに優先交渉権が付与されたものの、交渉がまとまらず混迷を極めている(詳細はこちら)。
1990年代に旧・西武百貨店で社長を務めた水野誠一氏は、「買収の目的が百貨店の再建ではなく不動産案件になっている」と疑問を呈する。今回の売却劇について、「おかしな最後にしたくない」と水野氏が危機感を強めているのはなぜなのか。
セブン&アイと証券会社の進め方に疑問
──旧・西武百貨店の社長を務めた水野さんの目から見て、今回のそごう・西武の売却はどのように映っていますか。
西武百貨店を去ってからかなりの時間が経過しているが、その間セブン&アイ・ホールディングス(以下セブン&アイ)傘下でお世話になり、面倒を見ていただいたことについて大変感謝している。今回、セブン&アイがそごう・西武を売却する方針を固め、入札という方法で新しいパートナーを決めるという手法についても正しい判断だと思う。
だが売却をめぐる過程には、さまざまな問題点を感じている。
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