紳士服はるやま、泥沼「お家騒動」の見えない結末 実姉らが会長の退任要求も、株主提案は通らず

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実の姉と父が会長の退任を要求する異例事態。創業家や元社員が懸念する、その経営の実態とは。それでも会長が再任されたのはなぜなのか。

紳士服チェーンのはるやまホールディングスではこの数年、株主総会が開かれるたびに「お家騒動」が勃発している(撮影:今井康一)

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一般株主も巻き込んだ一族の動乱はいつまで続くのか。

「はるやま」や「P.S.FA」などのスーツ店を全国展開する、紳士服チェーン4位のはるやまホールディングス。この数年、同社の株主総会には「お家騒動」という言葉がついて回る。約2%の株式を保有する創業家の岩渕(旧姓・治山)典子氏が、弟で現会長の治山正史氏の取締役選任に猛反対し、3万人におよぶとみられる個人株主に「お願い」と題した手紙を送っているからだ。

2022年6月末に開かれた株主総会では、正史氏の取締役再任案が58.9%の賛成を集めて可決。現社長で、AOKIホールディングス出身の中村宏明氏も64%の賛成を得て再任されるなど、会社提案の議案はすべて可決される形で幕を閉じた。

年々遠ざかる“弟”の背中

姉弟の対立が鮮明となったのは、2020年からだ。

正史氏の経営手法に疑念を抱いた典子氏は、創業者で約10%の株式を保有する父の治山正次氏らとともに、正史氏の再任に反対票を投じた。コロナ禍で業績が大きく傾き始めていたことも影響してか、2020年6月の総会で正史氏が得た賛成率は、当落ラインの過半数をぎりぎり上回る51.6%。あと1%で否決にひっくり返る瀬戸際まで追い詰めた。

手応えを得た典子氏は翌年から、個人株主らの説得に回り始める。「治山正史の取締役選任反対のお願い」などと記した手紙を送り、会社側の取締役案に反対するよう働きかけた。

ところが、その後の典子氏側の形勢は年を追うごとに弱くなった。

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