ZOZOの金庫番が明かす「前澤退任後」の復活劇 ヤフー提携は「ありえないほどの好機だった」

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創業者の電撃的な退任が発表されたのが2019年。そこから会社はどう変わってきたのか。澤田社長を支えてきた栁澤副社長に聞いた。

ZOZOに入って15年余り。今や最古参役員となった栁澤CFO。創業者と現社長の違いを語った(撮影:今井康一)

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国内最大のファッションECサイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOが、静かな復活を遂げている。
創業者の前澤友作氏が社長を退き、Zホールディングス傘下となって2年余り。当時、PB(プライベートブランド)の失敗やゾゾタウンの成長鈍化により低迷した収益力は徐々に回復し、2021年12月にゾゾタウンの年間購入者数は初めて1000万人を超えた。
ZOZOの経営の中枢で、前澤氏、そして現在の澤田宏太郎社長を支えてきたのが栁澤孝旨副社長兼CFO(最高財務責任者)だ。取締役の中で最古参社員でもある栁澤副社長が、創業者の電撃退任から今に至るまでの一部始終を語った。

「前澤さん、さすが持っているな」

――2021年末、年間購入者数が1000万人の大台を超えました。

「年間購入者1000万人」を言い始めたのが2010年か2011年ぐらい。初めて会社の決算説明資料で「商品取扱高5000億円を20××年に達成したい」と出したんです。そのとき「1000万人に年間5万円買ってもらえば達成できるよね」と話していた。

そういう意味で1000万人は1つの目安だった。もちろんこれは終わりではなく通過点。ただ、当時は(市場や業界関係者らに)「は?」と思われていた数字をクリアできたことは感慨深い。

コロナの追い風はあったと思うが、商品のラインナップを広げてブランドさんを増やすとか、基本のところを地道にやったからお客様も増えた。ほしいブランドや商品があり、注文したらすぐ届く。そういったサービスレベル(の維持・向上)が、新しいお客様を引き付ける要素となっている。

――前澤氏の退任直前は、Amazonや楽天もファッション領域を急速に強化し、ゾゾタウンの市場シェアが頭打ちとなりました。今は当時ほど、競合の侵食を受けていないように見えます。

これはZホールディングスとの提携が大きい。

当時のわれわれの課題意識は「マス(ファッションへの関心がそこまで高くない一般消費者)のマーケットをどう攻めるか」だった。(ZHD傘下のヤフーが運営する)ペイペイモールにゾゾタウンを出し、新しいユーザーを取り込めたことは非常に大きかった。

今の当社の市場シェアはたぶん微増。もうそんなに他社に食われていることはない。安定感が増してきたと感じている。

――ZHDとの提携は絶好のタイミングだった、と。

いや、もうありえないくらいのいいタイミング。

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