創業者の電撃的な退任が発表されたのが2019年。そこから会社はどう変わってきたのか。澤田社長を支えてきた栁澤副社長に聞いた。
「前澤さん、さすが持っているな」
――2021年末、年間購入者数が1000万人の大台を超えました。
「年間購入者1000万人」を言い始めたのが2010年か2011年ぐらい。初めて会社の決算説明資料で「商品取扱高5000億円を20××年に達成したい」と出したんです。そのとき「1000万人に年間5万円買ってもらえば達成できるよね」と話していた。
そういう意味で1000万人は1つの目安だった。もちろんこれは終わりではなく通過点。ただ、当時は(市場や業界関係者らに)「は?」と思われていた数字をクリアできたことは感慨深い。
コロナの追い風はあったと思うが、商品のラインナップを広げてブランドさんを増やすとか、基本のところを地道にやったからお客様も増えた。ほしいブランドや商品があり、注文したらすぐ届く。そういったサービスレベル(の維持・向上)が、新しいお客様を引き付ける要素となっている。
――前澤氏の退任直前は、Amazonや楽天もファッション領域を急速に強化し、ゾゾタウンの市場シェアが頭打ちとなりました。今は当時ほど、競合の侵食を受けていないように見えます。
これはZホールディングスとの提携が大きい。
当時のわれわれの課題意識は「マス(ファッションへの関心がそこまで高くない一般消費者)のマーケットをどう攻めるか」だった。(ZHD傘下のヤフーが運営する)ペイペイモールにゾゾタウンを出し、新しいユーザーを取り込めたことは非常に大きかった。
今の当社の市場シェアはたぶん微増。もうそんなに他社に食われていることはない。安定感が増してきたと感じている。
いや、もうありえないくらいのいいタイミング。
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