そごう・西武、後釜に「ヨドバシ」が突如登場の衝撃 百貨店店舗は大幅縮小か、池袋でビックと対決

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そごう・西武の売却をめぐる優先交渉権を得たアメリカの投資ファンドは、家電量販大手のヨドバシホールディングスと組んだ。影の主役の突然の登場に、百貨店、そして家電量販店業界に激震が走っている。

そごう・西武店舗の後釜に浮上したヨドバシカメラ。百貨店店舗の扱いがどうなるかも今後の焦点だ(上写真:梅谷秀司撮影、中央・下写真:編集部撮影)

特集「そごう西武 混沌の売却」の他の記事を読む

「1次入札ではアメリカ金融大手のゴールドマン・サックスが、大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ.フロント リテイリングと組んで応札していたようだ。1次で落ちたが、百貨店大手が関心を持っていたのは間違いない」

セブン&アイ・ホールディングスの百貨店子会社、そごう・西武の売却先を決める入札(入札をめぐる詳細な経緯はこちら)。事情に詳しい投資ファンド関係者はそう明かす。

全国で10店舗を展開するそごう・西武は、2022年2月期まで3期連続の最終赤字に陥っている。長年の経営不振にコロナ禍が拍車をかけた格好だ。

ただ、店舗ごとに見ると話は別だ。池袋駅直結の西武池袋本店は国内百貨店の店舗別売上高で3位の優良店舗であるし、そごう横浜店もトップ10前後に食い込む大型店。コロナ禍で多くの百貨店が経営悪化に苦しみ、他社を救っている余裕は到底ない状況下でも、大手がそごう・西武の入札動向に関心を持つのは当然である。

加えて、入札にJ.フロントが入ったのは「そごう・西武幹部が水面下で動いていた」(前出のファンド関係者)事情もあるという。同業者の支援を得ることで、売却後も百貨店業態を残し、店舗と従業員の雇用を維持しようとしたそごう・西武上層部の思惑が垣間見える。

池袋進出が長年の悲願だったヨドバシ

ところがふたを開けてみれば、有力な受け皿候補に浮上したのは、まさかの家電量販大手だった。

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