セブン、百貨店売却後に待つ「最大の火種」の存在 祖業のイトーヨーカ堂は物言う株主と対立必至

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そごう・西武の売却について、アメリカの投資ファンドに優先交渉権を付与したセブン&アイ。不振事業の整理は一歩前進したが、次の焦点は祖業であるイトーヨーカ堂だ。しかし、その切り離しを阻む存在がある。

イトーヨーカ堂は、セブン&アイが前中計でも「止血」を掲げて再建に取り組んできたが、依然として低収益が続いている(編集部撮影)

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「そごう・西武の売却が終われば、セブン&アイ・ホールディングスにはイトーヨーカ堂の売却に向けた圧力がかかるはずだ」。セブン&アイと取引を持つ会社の関係者は、そう身構える。

セブン&アイが2006年に2000億円超を投じて買収したそごう・西武の売却手続きが佳境に入っている。アメリカの投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループが優先交渉権を得て、再建策として百貨店店舗にヨドバシカメラを入居させる案を軸に交渉が進んでいるもようだ。

セブン&アイはここ数年、アクティビスト(物言う株主)からそごう・西武の売却を再三促されてきた。2016年にアメリカの投資ファンドであるサード・ポイントから、2019年には香港系ファンドのオアシス・マネジメント・カンパニーから、そごう・西武の切り離しを求められた。

最後の一押しとなったのが、セブン&アイ株式を保有するアメリカの投資ファンド、バリューアクト・キャピタルが2022年1月に出した公開質問状だった。利益貢献の小さい非コンビニ事業の売却や、取締役会の過半数を社外取締役にするガバナンス体制の強化を求めてきた。

社外取締役増員などのガバナンス強化策は、5月の定時株主総会で可決することで応えた。赤字を垂れ流すそごう・西武の売却が完了すれば、セブン&アイとしては物言う株主の要求に一定の“誠意”を示したと言える。

そごう・西武売却のインパクトは限定的

しかし、これでセブン&アイの経営陣も一安心とは言えそうにない。「物言う株主の本丸は、あくまでもイトーヨーカ堂。そごう・西武はその前哨戦に過ぎない」――。これは業界関係者の衆目の一致するところだ。

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