「ギンザシックスで大量閉店」との報道から1年。運営会社のトップが東洋経済の取材に応じた。インバウンド消費の象徴とも言われた施設の現在の姿は。
「2021年12月は、単月としてオープン以来最高の売り上げだった。これであの報道に対して答えを示せたと思う」
東京・銀座の複合商業施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」を運営するGINZA SIXリテールマネジメントの柚木和代社長は、そう強調する。
“あの報道”とは、2021年1月にあるウェブメディアに掲載された記事のこと。「銀座最大級の商業施設『ギンザシックス』で大量閉店」との見出しで、テナント14店がコロナ禍で一斉に撤退したと報じた。大手メディアも後追いし、SNSなどでも話題になった。
当時、SNS上や小売業界関係者の間では「インバウンド狙いがあだとなった」「インバウンドの売り上げ比率が大きいブランドを入れ替えたのだろう」との臆測が飛び交った。
20代の高所得層の顧客が拡大
運営会社はその直後、2017年4月の開業以来初の大規模リニューアルとして、テナント約40店舗を2021年春までに順次入れ替えると発表した。
“大量閉店”自体は事実だが、4年間の契約だった多数のテナントが契約満了を迎えたタイミングで、従来計画していたテナントの入れ替えであると同社は説明。広報担当者は「コロナ禍の影響によるものではない」と、報道の火消しに追われた。
実際、ギンザシックスの売り上げは2021年度の前半まで苦戦が続いていた。
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