ドンキ渋谷店が「訪日客消滅」で悟った深い反省 コロナ禍で様変わりを遂げた店舗改装の舞台裏

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若い日本人客をメインターゲットにした店舗に生まれ変わったMEGAドンキ渋谷本店。一方で、コロナ後を見据えた構想も具体的に動き始めている。

MEGAドン・キホーテ渋谷本店。コロナ禍前まで1階がインバウンド向け売り場だったため、混雑を敬遠して来店頻度が減った日本人客も多かったという(記者撮影)

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3月上旬、東京・渋谷の「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」の3階にある化粧品売り場は、若い女性客でにぎわっていた。目当ては、低価格が売りの「プチプラコスメ」と呼ばれる中国や韓国ブランドの商品だ。

化粧品売り場は数年前まで、大手日系メーカー製の高級スキンケア用品などを買い求める外国人客であふれたが、今ではその姿はない。渋谷本店で現在主力としているのが、10~20代の日本人女性客だ。

化粧品売り場では割高な日系ブランドの売り場面積を減らして、若年層に人気がある中国や韓国ブランドの売り場を拡大した。化粧品だけではない。菓子売り場では、「グミを食べる際の咀嚼音を聞かせるのがSNSで流行っている」などの情報を参考に、世界中のグミを集めたコーナーも新たに設けている。

日本人向けの戦略が手薄だった

「Mate(メイト)会議」――。渋谷本店では、そう呼ぶミーティングが定期的に開かれている。10~20代のアルバイト従業員(通称メイト)を交え、40~50代の幹部社員では把握できない若年層のトレンドなどを吸い上げる役割を果たす。会議で察知した情報は、売り場作りに直接反映させる。

渋谷本店はコロナ禍前まで、インバウンド向けの旗艦店舗だった。国内店舗別の免税売上高の金額では、道頓堀店(大阪市)に次ぐ2位を誇り、店舗売上高に占めるインバウンド比率はおよそ4割。店内レイアウトなどを日々考えるうえで外国人従業員との会議が多かったが、今ではその様子も日本人従業員が中心に様変わりした。

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