人事評価に翻弄される“哀しき本部社員" 自腹営業や無断発注は制度が原因か?

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
拡大
縮小
ローソンでは出店数が個人だけでなく部門の評価にもかかわっており、部門全体のボーナス額に影響していた(記者撮影)

特集「コンビニの袋小路」の他の記事を読む

「日販が低い店を作らないための仕組みだったが、本質を浸透させられなかった」(ローソン広報)

直近の2年間採用していたある人事評価基準について、ローソンは反省の意を示す。その基準とは、出店候補地の見定めや不動産物件の契約、加盟店オーナーの募集までを行う店舗開発部門を対象としたものだった。

開店した翌月の日販(1店舗での1日当たり平均売上高)が、出店前に稟議書に記した予想数字の80%以下ならば、その店は出店数に含めない。65%以下ならば出店どころかマイナス1店とみなす――。

2018年度に導入されたこの評価基準は、やっとの思いで出店にこぎ着けても実績として数えてもらえないという点で社員に厳しいものだった。評価はボーナス額に影響するので、まさに死活問題だった。

しかも従来は、開店後2カ月目以降の1年間の平均日販で評価されていたのに、開店2カ月目の平均日販で判断されることになった。

報道で公になったローソン社員の「自腹営業」

次ページ会社は変わらない
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内