「見切り販売」はなぜ浸透しないのか 消費者は値引き改革でお得だが・・・

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セブン-イレブン八王子万町店では、販売期限の迫った商品を3割値引きする「見切り販売」を実施している(記者撮影)

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10月下旬の昼12時。セブン-イレブン八王子万町店(東京都八王子市)のレジ前には会計を待つ人々が列をなしていた。何ら珍しくないお昼時の光景だが、他店と少し違うのは「126円びき」「165円びき」と書かれたシールの貼ってある弁当を顧客が手にしていることだ。

常連客という高齢男性は、値引きされた商品をその手にいくつも抱えていた。「年金生活なのでありがたい」とにっこりした表情を浮かべる。会話しているそばでは、従業員が商品棚に値引き商品を手早く並べている。顧客が次々に取っていくので商品はすぐになくなっていく。

八王子万町店では2009年から販売期限の迫った弁当やサンドイッチなどを3割値引きする「見切り販売」を行っている。

セブンでは、消費期限の2時間前を販売期限と定めており店頭から商品を下げることになっている。そのため、販売期限の2時間以上前から売れ残っている商品を値引きする。見切り販売は1日に4回行う。

利益は出ないが原価分を回収できる

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