池袋西武への出店にこだわるヨドバシの深慮遠謀 ビックと全面対決で塗り変わる家電量販地図

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池袋西武は、JR、西武鉄道、東武鉄道、そして東京メトロの4線が乗り入れる池袋駅に直結しており、百貨店3位の売り上げを誇る超優良店舗。ヨドバシはそんな池袋西武の「顔」である低層階(1階玄関を含む)への出店を主張している。

だがこの計画について、そごう・西武や地権者である西武ホールディングスなどの同意が得られず、議論は平行線をたどったままだ。

とはいえ「ヨドバシが主張を曲げることはない。たとえ長期戦になっても彼らには関係ない」とそごう・西武関係者は指摘する。冒頭で紹介した札幌も、土地を取得してから10年以上我慢している。早期出店より、土地など不動産を自ら取得し腰を据えて店舗開発をする。これがヨドバシ流の出店戦略なのだ。

激化する池袋家電戦争

ヨドバシが池袋にここまでこだわるのはなぜか。下のマップは池袋駅東口の家電量販店をまとめたもの。これを見れば明らかなとおり、池袋は都内有数の家電激戦区であり、とくにビックカメラグループ(ソフマップを含む)にとっては駅の東西に本店を含めた6店舗を構える本拠地だ。

ヤマダデンキも09年に旧三越池袋店の跡地に、家具や生活雑貨まで扱う「ヤマダデンキ LABI1 LIFE SELECT 池袋」を出店している。

しかし業界3位のヨドバシだけは、これまで池袋進出の機会を逃してきた。池袋西武への出店がかなえば、池袋駅直結という最高の立地が手に入り、ビックカメラの牙城を切り崩すことができる。まさに千載一遇のチャンスなのだ。

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