「子に内定が出ない」嘆く親に伝えたい過酷な現実 売り手市場とはいえ、今の就活は激化している

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このような競争の激化によって生まれた状況は、「就活に適応し複数の一流ホワイト企業の内定を取る一握りの学生」と、「一社も内定を取れない学生」の二極化です。

現代の就職活動は戦場と化しており、親世代の牧歌的な側面はなくなりました。「いい大学に入ればいい企業に行ける」というのはとっくに時代遅れであり、「いい大学に行って、就職を見据えた対策を取らなければ、いい企業にはいけない」という時代になってしまっているのです。

「競争の激化」……実際の倍率はどのくらい?

では、「一流ホワイト企業」といわれる会社の倍率はどのくらいなのでしょうか?

2022年2月に「東洋経済オンライン」で配信された「内定の競争倍率が高い会社ランキング」に、各企業の採用人数と応募人数、総合倍率の比較が掲載されていました。

この記事ではとくにウェディング業界やレジャー業界、そして食品・化粧品メーカーに高倍率の企業が多かったことを伝え、その例として、ノバレーゼ(1位)や雪印メグミルク(2位)、東宝・松竹(3位・4位)、ハウス食品(7位)、味の素冷凍食品(10位)、ファンケル(17位)、アサヒグループ食品(27位)を挙げています。

また、東レ(23位)や帝人フロンティア(14位)、WOWOW(22位)などテレビCMでおなじみの企業や、出版社も目立っていました。やはり、一般消費者として学生が知っている企業に応募が集まっているのは明白です。

さて、肝心の倍率ですが、この記事によると、高倍率企業の50社は、最低でも110倍。トップのノバレーゼ(ウェディング)に至っては、たった3つの採用枠を、3300人前後が争った(倍率1107倍)というデータです。

この記事が紹介しているのは倍率を公開している企業のデータのみとなっていますが、私が指導をしている学生から、

「人事が面接で話していたんですが、A社は応募倍率が4000倍だったみたいです」などと言われるのは例年のことです。一部の人気企業に学生が殺到し、高倍率になる、という傾向には、ますます拍車がかかっているといえそうです。

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