「子に内定が出ない」嘆く親に伝えたい過酷な現実 売り手市場とはいえ、今の就活は激化している

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ちなみに、2022年度の東京大学の倍率が2.7〜4.1倍程度だったとお伝えすれば、一流企業に入社するための倍率がどれだけ高いか、改めておわかりいただけることでしょう。

これだけの高倍率であれば、「とにかく数多くチャレンジしよう」と、50社、60社と応募したとしても、1社も内定を得られない可能性はおおいにあります。

「企業の求める能力」を満たしていない学生ならば、その可能性はかなり高いといえるでしょう。

「10年前の就活知識」でのアドバイスはむしろ毒

次の図表は、就活生を苦しめている「親子間の就活のギャップ」を、簡単にまとめたものです。

親と子の就活の違い
(出所:『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法 改訂新版』、図版制作:一企画、イラスト:山内庸資)

親世代の就活は、一言でいえば「牧歌的」。今の世代の就活の切迫感をなかなかご理解いただけないようです。

親御さんを対象に開催している就活の無料セミナーでも、私はこの表に近いものをお見せしながらお話をしていますが、話が進むごとに親御さんの表情が引き締まっていくのをひしひしと感じます。はじめは、「知っておいたほうがいいだろう」くらいのつもりで話を聞きに来られた方が、初めてリアルな現実に触れ、考えを改められるのでしょう。

子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法 改訂新版
『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法 改訂新版』(日経BP)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

親世代と今の就活の違いに対する親御さんの無理解は、お子さんの就活にとっては、残念ながら「毒」でしかありません。

「食品メーカーとか受ければいいじゃない! 味の素とか、すごくいい会社らしいわよ!」など、そもそも「的外れなアドバイス」になってしまったり、「何社も受けているのに、全部ダメだったらしいじゃないか……大丈夫なのか?」と、無意識にお子さんにプレッシャーをかけてしまったり……。

そんな親御さんに、学生たちは、「この人は今の就活のことを全然わかっていない」「家ではもう、就活の話はしたくない」とうんざりし、孤独な闘いを続けていくしかなくなってしまうのです。

竹内 健登 受験コンサルタント、ホワイトアカデミー高等部塾長

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たけうち けんと / Kento Takeuchi

東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から、企業の人材戦略の道へ。新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から「ホワイト企業」を研究。自社メディア「ホワイト企業への道」で掲載したところ、就活生や親御さんの間で話題となり、月間で35万PVを達成した。現在も、「ホワイト企業からの内定が1件も得られなければ、授業料全額返金」という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。元デロイトトーマツグループの人材戦略コンサルタント。

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