多くの勝利を積み重ねて黄金期を築く中、1992年9月、ホンダはF1活動の休止を発表する。
当時の社長だった川本信彦氏は会見で「次の目標」を問われ、「いろいろあって、これだとはこの席では言えない。ただ、チャレンジングスピリットを持って商品で勝負していく」と語った。
「一度、見直す時期を迎えた」
Hondaの50年史には川本氏のこんな言葉がある。
「本来のレースの意義がなくなってきたんだよね。人気が出てきたものだから、世間はF1でHondaが勝つものだという期待を、常にかけてくる。だから、技術的に冒険はしなくなった。チームメンバーにも疲れが出てきた」
「もう一つは、人気だけ上がったけれど、主にヨーロッパの商売は全然進まない。それに、会社全体としても、体力が弱ってきた。バブルがはじけて、Hondaを取り巻く環境から言っても、一度、見直す時期を迎えたということですね」
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