子供の「発想力を狭める」親の超もったいない言動 無限大の想像力を受け止めてあげよう
私は以前、セミの羽化待ちで6時間ほど公園のベンチで静かにひとりで座っていたことがありました。そのとき、息子の集中力を最終的に切らせたのは空腹という大敵でした! もし時間に制限があって声をかけなければならなかったとしても、できるだけ子どもが満足し、自らその場を立ち去るタイミングを狙ってみてください。
大人として「教えてあげる」という構図になりがちな声かけはしないほうがいいと思いますが、子どもが「なんで?」と聞いてきたときには、それに全力で応えたいと思っています。
円周率はどうして生まれた?
「ロジカルな視点で自然界を観察する」ことのたとえとして、ここで余談です。私が数学や物理に恋し始めたのは16歳のころ、きっかけは高校のおじいちゃん先生、Mr.グリーンでした。それまで「円周率」とは、円の直径に対する円周の長さを求めるためにある、魔法のような便利な値だと教えられていたし、私もそう信じていました。でもグリーン先生が円周率の話を始めたとき、私は数学がどこまで日々の生活に影響しているのか、自然界とどんな関係があるのかを知り、一気に話に引き込まれました。円周率を最初に研究したのは古代ギリシャの数学者アルキメデスだったといわれています。
では、なぜアルキメデスは円周率を求めようと思ったのでしょう?
答えは簡単、知りたかったから! 身の回りの滑車や車輪、転がるものを見て、興味を抱いたのだそうです。このアルキメデスの「なんで?」がなければ、自動車のタイヤも、観覧車もスペースシャトルも、生まれなかったかもしれません。
数学は計算や算数と違い、まだまだ答えが定まっていない分野がたくさん残っています。例えば先ほどの円周率、3.14ではないことは知っている方も多いと思います。
無限に続くという説も聞いたことがあると思いますが、すごいのはここからです。円周率の数の並びには規則性があるのか、それとも不規則なのか、これは未だ解明できていないのです! 2022年についに100兆桁目まで計算されたというニュースを読み、私は亡くなったグリーン先生を真っ先に思い浮かべました。雪の結晶の角度も、植物の葉のつき方も、パイナップルの模様も、モーツァルトの音楽も、数学を使って表すことができます。
高校の数学の授業があったからこそ、私は「ロジカルな視点で自然界を観察する」ことに興味を持ち、数学を使った仕事に就き、子育てにまで応用できています。小さな好奇心がきっかけとなり、人生も枝分かれしていくのですね。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら