コード書き続けた世代に迫られる「AI時代」の変革 「プログラマーの本質に立ち返る時が来た」
過去に何度か訪れたAIブーム、ノーコードツールの普及……新しいテクノロジーが登場するたび、「プログラマーは不要になるのでは」という議論がなされてきた。
ただ、どこか現実味に欠けたその議論を何となく受け流してきたプログラマーにとっても、ここ最近の生成AIの進化は無視できないものがあるのではないだろうか。
特に、10年以上ものづくりの現場でコードを書き続けてきたアラフォー世代のプログラマーにとっては、これまでのやり方をどう変えるべきか、そもそも変えられるのか……という不安がよぎる。
そこで、開発現場の最前線で長年プログラマーとして活躍してきた伊藤淳一さんと遠藤大介さん(ともに、ソニックガーデン顧問CTO/プログラマー)に、今後アラフォー世代のプログラマーに求められる自己変革とは何なのか話を聞いてみた。
※本記事は、GPT4が発表される直前の2023年3月13日に取材を実施しています
AIで何ができるか。プログラマーの力が問われている
——昨今の生成AIの進化ぶりには目を見張るものがあります。長くプログラマーとして働いてきた人にとっては無視できない脅威になる印象もありますが、お二人はプログラマーの立場から現在の状況をどのように見ていますか?
遠藤:ここ1年くらいの生成AIの進化って本当にすごいなと思っています。『ChatGPT』などを実際に使ってみても、その印象は変わりませんし、いよいよ「仕事を奪われる」という話も全く非現実的な話ではないなと感じますね。
ただ、過去を振り返れば、機械語からアセンブラ言語や高級言語、オブジェクト指向言語が生まれ、サーバー環境がオンプレミスからクラウドへと移行したように、AIに限らずコンピューティングの歴史は幾度となく繰り返されてきたブレークスルーによって常に大きく進歩しています。
ChatGPTもAIの進化の流れを踏襲したものであるのは間違いありません。それにもかかわらず「脅威だ」という声が目立つようになったのは、ChatGPTをはじめこれらの生成AIの進化のスピードが「速すぎる」ことにあるのだと思います。