「エルニーニョ発生確率80%」今年の梅雨予報は? 梅雨前線が停滞し続け長引く雨、大雨の恐れも
くもりや雨の日が続くのが梅雨ですが、梅雨入りと梅雨明けには数日の移り変わりの期間があります。このため、梅雨入りと梅雨明けの時期は、「移り変わりの期間の概ね中日」の日付を用いて、「○日ごろ」と表現されています。
例えば、くもりや雨の日が続いた後、晴れの日が続き、再びくもりや雨の日が続く、という周期変化になると、いつごろが梅雨入りなのかというのが定まりません。
昨年の北陸と東北は、晴れて暑い日が続いた後、8月に再び前線が停滞して線状降水帯が発生し「大雨特別警報」が発表されました。このため、北陸、東北南部、東北北部は、梅雨明けが特定できないとなりました。
ところで、梅雨入りと梅雨明けには、速報値と確定値があることをご存じでしょうか?
ニュースなどで「きょう、梅雨入り(梅雨明け)しました」と伝えられるのは、速報値です。夏を振り返って検証されて、9月に確定値が発表されます。平年値の算出、統計に使われるのは確定値です。
昨年は異例の梅雨 幻の記録
確定値はニュースなどで扱われることが少なく、あまり一般には知られないままのことが多いです。しかし、昨年は梅雨明けの確定値がいつもより話題になりました。大幅な見直しが行われたためです。
昨年、気象庁は6月27日~29日にかけて、九州南部、九州北部、四国、中国、近畿、東海、関東甲信、北陸、東北南部の9地方の梅雨明けを発表しました。1951年の統計開始以来、7地方で「最も早い梅雨明け」、8地方で「最も短い梅雨」でした。これは、速報値です。
その後、9月に発表された確定値では、上記の9地方のうち、九州南部、九州北部、四国、中国、近畿、東海、関東甲信の7地方の梅雨明けを7月下旬に見直したのです。
原因としては、予想より偏西風が南下したことが挙げられます。偏西風によって、一度日本付近に張り出していた高気圧は南に押し戻されました。そして、上空には寒気が流れ込んで大気の状態が不安定になり、ぐずついた天気や大雨がもたらされたと考察できます。こうして、「最も早い梅雨明け」と「最も短い梅雨」は、幻の記録となりました。
昨年のような不順な天候では、梅雨明けの判断は難しかったと感じます。偏西風が蛇行する一因となる地球温暖化の進行により、今後も大きく修正されることがあるかもしれません。
また、地球温暖化の影響で、梅雨が明けても近年は夏の急な雨や雷雨が増加、激化しています。梅雨明けしても大雨には注意が必要でしょう。
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