巻末には、「私の未来、私の夢」といった空白のノートのページ(自由に使えるページ)、索引、そして目についたのが「Project KISEKI-「福島」へのこだわり」という説明です。
福島県の復興支援のため、社史の表紙の扉には福島県二本松市の上川崎紙という伝統的な手漉き和紙を用い、社史そのものの印刷は、わざわざ福島の企業に依頼したと記されています。
復興の支援事業について書かれた社史は多数ありますが、社史の本体そのもので復興を支援している例を知らなかったので、外資系の企業に頭の下がる気持ちでした。
「社史の固定観念を壊してみたかった」
最後のページには、なぜか表紙の色が6種ある社史の写真が掲載されています。
「当館に寄贈していただいたのは赤色(上製本)だけど、なんだろう。色見本かな…」なんて思っていましたが、後日、社史の編纂を担当した同社管理本部の小川富士氏をお招きし、当館の「社史ができるまで講演会」にてうかがった話によると、本当に表紙の色が異なる6種類の社史(並製本)を作り、社員にランダムに配布したといいます。
「隣の人と違う色?なぜ?と話題になることがひとつのねらい」であり、また「社史とはこういうもの、という固定観念を壊してみたかった」のだそうです。
章の合間の「アクセンチュア柳壇」というコーナーでは「プロとして 振る舞う私は 一年生」「入社して チームが全員 インド人」など社員から募集した川柳&選評コメントが掲載されています。
小川氏によると「社員の声をひろく集め、リアルなアクセンチュアの姿として社史に織り込んでおきたい」と社内メールを使ったVOICESキャンペーンの一環としての企画だったそうです。楽しいだけではなく、意図があることを知りました。
同じく章の合間の社員を対象としたアンケートでは、20年前と同じ質問をして、移り変わりを比べているコーナーがありました。なかには「Q.アクセンチュアの社員として常に[A]を持って行動し、自分の[B]を[C]していきたい。しかし[D]には十分に注意をしたい。」のABCDに言葉を入れよ、というアンケートがあります。
1992年も2012年も、掲載された回答には、真面目なものからユニークなものまで並んでいます。皆さんの会社だったら、どんな言葉が入るでしょう。
この社史に詰まった工夫は紹介しきれませんし、私が気づいていないアイデアもたくさん仕掛けられていると思います。
機会があったら、ぜひ『KISEKI Accenture Japan 1962-2012』をご覧ください。
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