アクセンチュアの社史は、何がすごいのか

表紙が6色!内容も工夫がいっぱい

ほぼすべてのページ下段の余白には、社員・役員らが経営や仕事について語った言葉が出ています。

「〈社員から受けた印象的なアドバイス〉仕事の成長は雪ダルマ方式のようである。いかに初めに早く成長できるかによってその後の仕事人生は変わる。(匿名)」、「ビジネスはつねに革新と現実のギャップの中にあると認識して欲しい。夢や理想ばかり追うことしかなく、しかも現実に流されることもなく、つねに両方を視野に入れておくことが大切です。(程近智、1999年6月)」といった短い文章です。程氏は現社長です。

工夫を見つける楽しさ、社史で福島の復興支援も

興味深かったので下段だけ見ながらめくっていくと、章末のページのみ、当時の物価が例示されていました(1962年、山手線初乗り運賃10円、銭湯の入浴料19円……など)。本文に書かれた、その当時の金額の目安をつかみやすくする配慮でしょう。

本文の節や項目のタイトルには必ず英文が添えられています。例えば前史の冒頭の項目だと「”King Arthur and His Accountants”-アーサー・アンダーセンとその信念」という具合です。

この英文は「あとがき」によると「楽曲・映画・小説のタイトルから引用」したと書かれていました。「この英文は何が元ネタだろう。〈アーサー王と円卓の騎士〉をもじったのかな」と、ちょっと考えてしまうのです。

こんな感じで、私はこの社史の工夫を見つけていくのが楽しくなっていきました。

全体を通して見ていくと、各章の扉にその時代の様子が一目でわかる写真(第1章の1960年代なら当時の東京タワー)を見開きで載せ、章題のほか、章の内容を示すコピーの文字(第1章なら「始まりはゼロから。若き7人の跳躍。」)を大きなフォントで配置しています。

その次のページが、各章の時代の年表になっています。年表は巻末にまとめている社史が多い中、珍しい構成だなと思いました。章ごとにイメージカラーを設けるなど、見やすさへのこだわりも随所に感じられます。

どの時代の章かがすぐにわかり、章の中での使いやすさを考えたのでしょう。

次ページ社史とはこういうもの、という固定観念を壊してみたかった
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