13Lエンジン搭載大型トラクターが挑む物流問題 UDトラックスのフラッグシップモデルに試乗

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たしかに時間外労働時間の上限が960時間になれば、過労につながる労働環境が部分的に是正され、過労死という危険領域からも遠ざかる。では、その法案の対象者となる現職の物流ドライバーは、物流業における2024年問題をどう見ているのか。

UDトラックスが400名のドライバーにアンケートを実施

UDトラックスの歴史
UDトラックスの歴史(筆者撮影)

このほど商用車メーカーである「UDトラックス」が全国の物流会社のドライバー400名を対象に、自身の労働環境についてインターネット経由のアンケートを行った。回答はいずれも興味深い内容ばかりだが、筆者が注目したのは労働環境変化への設問結果だ。

2018年当時と比べて「自身の働き方が改善しているか」とたずねたところ、58.8%のドライバーが「感じない」と回答。また、「この5年間で業務量が増えたと感じている人」が42.8%いた。

政府では2019年4月から、前述したドライバー(自動車運転の業務従事者)に先行して大企業における時間外労働時間の上限規制が行われている。物流はBtoBとして大企業の多くが活用しているが、その現場では前述のアンケート結果から推察するに改善が浸透していない。2019年4月から今日まで猶予があったにもかかわらず4割以上のドライバーが「状況が悪化している」と感じているのだ。

だからこそ、2024年4月から自動車運転の業務に対して施行される法律に期待が寄せられる。大企業向けに続いて放たれた2段目のロケット、すなわち年間の時間外労働時間の上限960時間という制限は、働き方の改善や業務量の見直しが目的だからだ。しかし、理屈どおりに事は運ばない。

先のアンケートにおける自由回答では、残業規則に直接影響をおよぼす時間外労働時間の減少は「給与の減額」(≒手取額の減少)につながることが問題視された。また、業務時間内にこれまでと同様の仕事量をこなすためには、結果として「無理なスケジュールを要求されること」が増えるのではないかといった不安の声が多く寄せられた。

筆者は、無理を通せば道理が引っ込む、そんな状況を避けることが先決だと考える。つまり、給与や労働時間にはじまる待遇面、そしてなにより荷主との関係性の是正が、現実の物流業にとって最初に取り組むべき改善点ではないか。言うは易く行うは難しだが、物流業、とりわけドライバーには余裕がない。

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