13Lエンジン搭載大型トラクターが挑む物流問題 UDトラックスのフラッグシップモデルに試乗

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国も長時間の荷待ち抑制を促す
国も長時間の荷待ち抑制を促す(写真:厚生労働省)

過去に、軽トラックや小型トラックでの配送業務、そして商用車メーカーで大型車両の開発業務を担当してきた自身の経験からしても、いわゆる残業時間の課題解決と同時に、手取り給与が増えて、荷待ちが少なくなることを望みたい。

残業できないぶんを副業で稼げばよいという発想もある。ものすごく理解できるし、そのとおりだ。しかし、物流業は身体的、精神的にハードで、労働時間外にしっかり休息することが業務中の事故抑制につながることから個人的には推奨しない。休息を兼ねた副業があれば別だが、YouTuberであっても動画の編集時間が必要だから両立はやはりむずかしい。

荷待ち時間にしても、先のアンケートでは「平均 2.1時間。4人中3人が荷待ち時間にストレスを感じている」という。荷待ちが減れば、理屈のうえではそのぶん、ドライバーは早く仕事が終わる。これこそ、「ワーク・ライフ・バランス」の最適化ではないか。まずはできるところから、細かな改善を積み重ねる。早道はない。

UDトラックスの大型トラック「Quon(クオン)」

クオンGW 6×4新型トラクター」発表会の様子
メディア向け「クオンGW 6×4新型トラクター」発表会の様子(筆者撮影)

UDトラックスでは、こうした物流業の課題に対して商品である車両の改善で応えてきた。物流業に不慣れなドライバーであっても運転しやすいトラックの開発がそれだ。

2017年に発売した大型トラック「クオン」は、坂道でも失速の少ないパワフル&トルクフルで、かつ燃費規制に対応したディーゼルエンジンを搭載し、GVW(車両総重量/車両と積荷と乗員)で25tにもなる車体を安定して制動させる総輪ディスクブレーキを採用した。

2021年7月には、運転操作に不必要なステアリングへの余分な入力を電動モーターで打ち消す「UDアクティブステアリング」を一部グレードに実装し、2023年3月には採用グレードを拡大した。

フラッグシップ「クオンGW 6×4新型トラクター」

クオンGW 6×4新型トラクターの走行シーン
13Lディーゼルターボエンジンを搭載したクオンGW 6×4新型トラクターの走行シーン(筆者撮影)

そして2023年4月には、大型の「GW530 6×4新型トラクター」を発売する。ちなみにトラクターとは、牽引自動車やトラクターヘッド、トレーラーヘッドなどと呼ばれる、いわゆる運転する車両と荷台が分離するタイプのトラック形状を表す。現在、UDトラックスのトラクターは国内シェア1位で、6×4とは6輪ある車輪のうち4輪が駆動するという意味で用いられる。そんなUDトラックスのフラッグシップモデルが今回の「クオンGW 6×4新型トラクター」である。

GH13エンジンとESCOT-Ⅶ
最大530psを発生する「GH13エンジン」と、滑らかな変速を可能にした12段電子制御式オートマチックトランスミッション「ESCOT-Ⅶ」(筆者撮影)

2025年度新重量車燃費基準をクリアするレベルの直列6気筒13Lディーゼルターボエンジンは530PS/2601N・mを発揮。これに前進12速/後退2速のシングルクラッチ方式のAMT「ESCOT-Ⅶ」を組み合わせた。

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