政府の進める「働き方改革関連法」によって2024年4月1日以降、「自動車運転の業務」が変わる。時間外労働の上限規制が2019年からの猶予期間を経て施行され、年間の上限が960時間に制限されるからだ。これがいわゆる「物流業における2024年問題」のハイライトである。
正式名称「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」。施行の目的は、労働する人々を守ることであり、同時に人それぞれの働き方に合わせた課題への対応を労働者や事業者、そして社会全般に促すことにある。働く枠組みを部分的に見直し、良くしていこうという趣旨だ。
政府の説明によれば、労働時間法制を見直すことで仕事と生活の時間配分が見直され気持ちよく生きるための「ワーク・ライフ・バランス」が最適化し、正社員と非正規社員の待遇格差をなくす社会が目指せる、とある。名実ともにすばらしい考え方だし自身も取り組みたいが、実現へのハードルはとても高い。
実現に向けた取り組みは2019年4月より順次施行されている労働基準法のもと各方面で行われているが、残念ながら歩みは遅い。こと物流業に関しては、昭和の時代から棚上げされた課題が持ち越され、待ったなしの状態が続く。
物流業界の現状は?
ご存じのように物流業は我々の生活を根幹から支える分野であり、持続的な経済発展とも密接な関係がある。よって途絶えさせてはならないわけだが、足元では慢性的なドライバー不足に加え、現職ドライバーの高齢化にも拍車がかかる。肉体的にきつく、運転業務などの精神的な疲労度合いも高いが給与水準はここ30年間、減少の一途だ。わかりやすく問題山積である。
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