安すぎ日本人の給料「毎年4.2%ずつ」上げるべき 人手不足の時代、「引き上げ交渉」は怖くない
この事実は、政府が最低賃金を引き上げているのに、企業の経営者は給料を増やそうとしていないという実態を物語っています。インフレ率が高い中で、2023年の最低賃金の引き上げはますます注目を浴びると思います。
日本の給料は毎年わずか「0.19%」しか上がっていない
さて、1990年から2020年にかけて、日本の給料(購買力調整済み)はほとんど上がっていません。30年で、わずか5.8%しか増えていません。年率に直すと、たった0.19%の増加です。
0.19%などというのは、誤差の範囲でしかないので、日本の給料は「30年間まったく上がっていない」といっても間違いではありません。
皆さんご存じのとおり、1990年以降、日本はいくつかの天変地異に襲われましたが、戦争が起きたわけでもなく、基本的には平和な時代でした。
そんな平和な時代で、ほとんどの国民がまじめに働き続けたにもかかわらず、30年間も給料がまったく上がらないというのは、「異常」事態以外の何物でもないでしょう。日本と同じように給料が増えていないのは、G7ではイタリアだけです。
日本でまったく給料が上がらなかった間、アメリカの給料は、インフレを調整した実質ベースで1.49倍に増えました。年率では平均1.35%ずつの上昇です。この伸び率はG7の中で最高でした。ちなみに、OECD加盟国平均では、同じ期間に1.3倍、年率0.87%増えました。
このように30年間の給料の伸び率を比較すると、各国、日本より大幅に上昇しているように見えますが、年率で比較すると実はその差はさほど大きくはありません。
先ほども述べたとおり、アメリカの給料の伸び率は年率1.35%、OECD平均は0.87%です。日本の伸び率は平均0.19%でしかありませんでしたが、他国の給料の伸び率も、日本よりわずか1%前後高いだけだったのです。
何が言いたいかというと、わずか1%の差でも、それが30年も続けば、大きな違いになるということです。この1%の違いは、見逃しがちですが、決して看過してはいけない重要なポイントです。
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