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歌手aikoが語る「私が恋愛の曲を作り続ける理由」 「人生は坂道だけど笑いながら登りたい」(後編)

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  • 芳麗 コラムニスト
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変化が激しい時代。音楽業界にかかわらず、キャリアを構築するには、さまざまなことができる器用さや軽やかさ、柔軟性を持つ人のほうが生きやすく見えるけれど……。aikoのようにただ一途に全力を費やせる何かを持てたら、どれほど幸せなことだろう。

「今の時代、いろんなことをやれるのは良いことなんでしょうけど、忙しすぎませんか? 好きなものを見つける過程でいろいろやってみるのはいいと思うし、いろんなことをやるのが本気で好きならそれもいいと思います。でも、余力がなくなって、自分の本当に好きなこととか、強烈にやりたいことがわからなくなりそうな気がする。

私はまだまだですけど、1つのことをずっとやっている人の生き方や言葉には重みがありますよね。うちはお父さんもお母さんもずっと同じことをやってきた人。お父さんは飲食店を経営しているんですけど、その界隈でもっとも古く生き残っているお店。いまだに多くの人に愛されて賑わっているし。お母さんは看護師ですけど、注射がすごく上手なので、患者さんから指名が絶えないらしいです(笑)」

一途でなければ、味わえない感情や到達できない場所がある。

2021年に訪れた、ひとつの転機

アルバムリリース後は、すぐに長いツアーが控えている。

25周年を迎えた今に至るまで、常に全力で坂道くらいの急斜面を登ってきたという自覚はあるが、それは彼女にとってつらいことではないと言う。

「生涯、歌手でありたいという願いがあるから、プロモーションもライヴの準備も、そのための忙しさはありがたいだけです。もちろん、ハードやなって思うこともありますけど……」

そこまで語ってから、ふと思い出したように言葉を続ける。

「私、1つ思いつく人生の転機があるんです。スカパラさん(東京スカパラダイスオーケストラ)とコラボしたこと(2021年『ブルー・デイジー』)。

とにかくものすごく楽しかったんですよ。リハーサルも本番もずっとずっと楽しくて。スカパラの皆さんがファンの方々やミュージシャンにすごく愛されているのがわかるなぁって。私も大好きですし。大人が楽しむってこういうことなんだなって教えてもらえた気がします。

年齢を重ねても、どれだけ世の中が変わっても、全部自分次第だし、楽しんだもの勝ちだなと。ハードな坂道も楽しみながら登りたい。苦しんでも楽しんでも、同じ坂道。笑いながら登り切って、結果、筋肉がついてたらラッキーやなって思います」

彼女が恋焦がれてやまない、理想の音楽へと続くまっすぐな道は、きっとこの先も平坦ではないだろう。けれど、そこは、ますます面白くて、誰も見たことがないような景色が用意されている道だ。それを彼女は音楽を通じて、これからも私たちに見せてくれるはずだ。

前編:デビュー25年、歌手aikoが「まだ序盤」と語る真意
中編:歌手aikoが語る「私がほとんどコラボしない理由」
芳麗さんによる連載8回目です

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